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弁護士バッジ

2014.04.16 [ 小西 政広 ]

「そのバッジいくらするの?」なんて言われることもありますが,日本弁護士連合会から借りていることになっています。

裏には,「日本弁護士連合会会員証」「純銀」「造幣局製」と刻印がしてあります。
また,自分の会員番号も彫られています。

ただしなくすと,再発行には結構なお金がかかります。
しかも始末書付きです。

弁護士バッジには一定の信頼があり,悪用されると混乱が生じることが想定されるため,それだけ慎重に扱いなさい,ということです。

でもいろいろみてると,レプリカ売ってますね。ネット通販で。前から思っていたんですが,これは何か規制はないんでしょうか。いいんですか?こんなもの売って。
偽物の流通によって本物の信用が落ちてしまうと,業務が非常に不便になってしまいます。

そういえば人から聞いた話ですが,弁護士バッジを作る造幣局は,硬貨しか作ってなくて,紙幣は日本銀行で作られているみたいです。確かに紙幣には日本銀行券とかいてあります。

少年法改正

2014.04.12 [ 神村 岡 ]

有期懲役の上限を引き上げるなどの内容で,少年法が改正されました。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140411/k10013661431000.html

そもそも少年法というのは,非行したり犯罪を犯したりした未成年に対する処遇,処罰を規定している法律です。

大人が犯罪を犯すと,刑法などによって刑罰が科されることになりますが,未成年の場合,大人と同じことをしても刑罰が軽かったりします。

これは,未成年が大人よりも善悪の判断がつかないこと,単にやったことの責任を負わせるのではなく,後見的な観点から指導をした方が,本人の更生につながり,再犯可能性も低下することなどが理由です。

一般的に,若いうちは過ちを犯しやすいものだと思います。
若いときに犯した一度の過ちで大人と同様に長期間収容されることになると,上手く社会復帰できず,結局は再び犯罪に走ってしまうということも考えられます。
したがって,本人の更生という視点は,少年事件では欠かせないものです。

今回の改正では,有期懲役刑の上限が引き上げられ,これまでよりも重い刑罰を科しやすくなりました。
最近は,少年犯罪に限らず,厳罰化の傾向があるように思います。
その善し悪しは難しい問題ですが,こと未成年に関しては,本人の更生の視点が重要なのは変わりません。

なお,今回の改正で,国選付添人の対象事件が広がりました。
付添人というのは,一般の刑事事件でいうところの弁護人で,少年事件において後見的な立場から少年の弁護を行います。
国選というのは,国が費用を出して選任するということで,少年事件に関しては,一定の重大な犯罪に限って国が付添人を選任しています。

それ以外の事件についても付添人がつかないわけではなく,公的な付添人費用の援助制度がありますので,ほとんどの少年事件では付添人がついています。

私も,何件か少年事件を担当したことがありますが,どのような処分や対処が本人の更生にとって良いのか,いつも考えさせられます。



投稿させていただきます。再び

2014.04.11 [ 小西 政広 ]

三代目ジェイソウルブラザーズって,一代目,二代目いるんですかね。

というわけで,させていただきますという言葉について。実は下書きは前も書いたけど,何となくまとまりきらなくて没にしたので,一本目は日の目を見ていないけど「再び」ということで。


〜〜させていただきます,という場合,自分が今こうして生活していられるのは,誰かのおかげであって,自分の全ての行動が誰かの恩恵によってすることができている。と。

そういう考え方自体は,常に忘れてはいけないものだと思います。


しかし,何でもかんでもさせていただきます,と締めくくるのはやはりおかしい。

例えば,「ご請求させていただきます。」

自分のする行為に「ご」をつけるのも変だし,「請求」という,一方的に行う行為について,させていただきます。というと,一体誰に許可をとってさせてもらってるの?という気になってしまう。
請求という行為は,本来一方的なものだけれども,請求される相手方は,請求されて当然なのだから,請求されると言う行為についても,当然にゆるさなければいけない,そういう強気な態度が感じられる。
ので,ご請求させて頂きます。なんて言われると,結構腹が立ってしまいます。


屁理屈すぎてピンとこない,という読者を想定して。

例えば振り込め詐欺?架空請求かな?

「お金を払わなければ,身辺調査させていただきます。」

まあいいけどね。どうせされないし。

身辺調査なんて勝手にこっそりやるものなのに。

「尾行させて頂きます」

変ですね。

「実家に帰らせて頂きます」

これは変じゃないかも。
あんたが悪いことしたんだから,実家に帰るのを止める権利なんてないでしょ?
っていう状況が想定できます。しかし,「あなたは私の行動をゆるさなければならない」という意図は入ってますね。

させていただきます。という表現を使う際,誰かに対する敬意を表しているはずですので,対話の相手に対してその敬意の表現が適切かどうか,考えなければいけない。敬語は難しいなと思います。

ちょっとお酒を飲んでいるので,くだまき感がありますね。

引用のルール。

2014.04.10 [ 小西 政広 ]

小保方さんが会見していました。

大変いたたまれない印象だけは受ける内容でした。

詳しくは論文を実際によくよく検討しないとよく分からないところなのかもしれませんが,

他者の論文の内容を,何の前置きもせずに自分の書いた物のように論文に転載したり,

あるいは,他者の論文の画像を改変したりすることは,論文の内容自体に疑問が生じることもさることながら,著作権法上の問題もあります。

著作権法上,他人の著作物を引用する場合には,「引用の目的上正当な範囲内」で引用する,という制限があり,また,その著作者をしっかりと明示する必要があります。

他人の作った画像を改変することも,元の画像を参考にしたことが他人から見て取れるようであれば,著作権法上問題があります。

こういうことは,遅くとも大学の学位取得論文を作成する際までには,法的にどうだということはわからなくとも,御法度という認識まではできるものかとは思いますが・・・

世界的な騒ぎになり得る内容の論文を発表する,という局面においては,うかつだったとしかいいようがない,そう感じました。

物損と人損

2014.04.09 [ 小西 政広 ]

交通事故を起こしてしまったとき,物損で済むか,人損となるか,は大きな違いになります。

簡単に言えば,後者は犯罪,前者は犯罪ではない。

過失によって人をケガさせてしまった場合,自動車運転過失致傷,ということで,刑法上の犯罪になるんですね。

他方で,物を壊してしまっただけの場合は,過失しかなければ,犯罪ではない。

わざとやったと言うことであれば,器物損壊罪という犯罪になりますが。

人損となってしまえば,免許証の点数も加算されますし,事故を起こしてしまったことの代償は大きくなります。

被害者側になった場合。

ケガをしていても,

加害者からは,ちゃんと損害を補償するので,物損扱いにしてくれないか,などという提案がされることがままあります。

確かに,人損にするか物損にするかは,警察に届け出る事項に過ぎず,物損にしたからといって,必ずしもケガの治療費をもらえなくなる,というわけではありません。

しかし,物損にする程度の事故だった,その程度の軽いケガだった,ということを暗に示すものとなってしまうことがあります。

長期間治療しても治らない後遺症が残った場合,物損扱いにするくらい軽い事故だったんだから,そんな後遺症なんて残ってるはずがないでしょ,と見られてしまうことがないとはいえません。

たとえ事故当初は,物損にしたとしても,ケガの治療で病院に行くことになった場合には,ちゃんと人損扱いにして,警察にもそう報告して下さい。

さらに,またまた重要なのが,警察は,人損だと,実況見分調書,という,事故がどのようにしてどこでどのように起こったかを記録する報告書を作成します。現場検証と言う方がわかりやすいでしょうか。

後々,過失が争われることになった場合には,これが非常に重要になります。

人損は犯罪なので,犯罪として処理するためには,警察としても詳しい状況を記録しておかなければならないということなのです。

物損では,この実況見分調書は作成されません。

いずれにしても,人損なのに,物損のままにしてしまったことによるリスクは,自分で負うことになってしまいます。

公正証書遺言のデジタル保存

2014.04.08 [ 齋藤 健太郎 ]

遺言には,公正証書遺言と自筆証書遺言の二種類があるのをご存じでしょうか。ちなみに,法律家は,「遺言」のことをなぜだかわかりませんが「イゴン」と読みます。


自筆証書遺言は,全文を自分で書いて,日付と名前を書いて,印鑑を押せばできあがりです。

 

              遺言書

       私は全ての財産を妻に相続させます。

 

                     平成26年4月7日

 

                         齋藤健太郎 印

 

はい,これで完成ですね。私には妻は一人しかいませんので,「どの妻だ!」ということで特に争いにはならないでしょう。ただし,全ての文章と名前,日付を自分で書かなくてはいけません。

 

一方で,公証役場で作成する公正証書遺言は,偽造,変造することはほぼ不可能ですし,だれかが発見した後で隠すということもできません。公証役場には,遺言の検索システムがあり,相続人であることを戸籍で証明すれば,亡くなった方の遺言があるかどうかを調べることができます。

 

公正証書遺言を作成すると,「正本」というものを交付してもらえますが,「原本」は,公証役場に保存されます。このため,正本を紛失してしまったとしても,再度,発行してもらうことができます。

 

ところが,東日本大震災では,公証役場にも津波が到達したそうです。原本が津波に流されてしまったら大変です。そこで,この教訓から,全国の公証役場で,公正証書遺言のデジタル保存を開始したというニュースを目にしました。デジタル化の波はとうとう遺言にまでたどり着いたということでしょうか。

 

私の個人的な考えでは,本人が記載したということが証明できるような形であれば,そもそもデジタルでの遺言も認めるべきではないかと思います。当然,厳格な証明方法が必要ですが,自筆証書遺言という制度自体が,完全ではなく,争いを引き起こすこともあります。そうであればかえって改ざんされにくく,自分が書いたことを証明しやすいのではないかとすら思うのです。

 

本人確認の方法としては,免許証,印鑑証明などもありますが,もっともわかりやすいのはビデオ撮影でしょう。デジタル遺言に加えて,同じ内容のことをビデオで撮影して動画でアップしておけば,本人の意思通りということを証明する手段となるでしょう。さらに,高齢の場合には,認知症がないことを証明するために,長谷川式の認知症テストをやるということも考えられますね。

 

でも,公正証書を作成することもそんなに大変ではありません。

弁護士に依頼する場合には,まず,依頼者の財産の内容を確認し,どのような遺言がよいかを依頼者と打ち合わせます。

遺言書の案を作り,公証人さんとも事前に摺り合わせた上で,当日作成に行きます。このため,当日は短時間で済むようになっていますし,簡単な遺言であれば,一度の面談で完成してしまうでしょう。

 実は,遺言を作ろうと思い立って行動に移すまでが最も大変なのかもしれませんね。

「役に立つ遺言と相続の話」の講演

2014.04.07 [ 齋藤 健太郎 ]

平成26年4月2日に,私が顧問をしている「葬送を考える市民の会」の主催する講座で,講演をさせて頂きました。
「役に立つ遺言と相続の話」というテーマで,約2時間,お話をさせて頂きました。

遺言についての皆さんの興味・関心は日に日に高まっているという気がしますが,思ったより遺言を作成する人は増えていないように思います。
・まだ死なない。
・揉めるほどの財産はない。
・作るのが面倒。
・お金がかかる。
などということを考えてしまうのかもしれません。
かくいう私もまだ遺言は作成していませんが・・・。

実際には,
・人間はいつ死ぬかわからない。
・財産がなくても揉める。
・作成は案外簡単。
・お金は自筆証書ならタダ同然。
なので,作らない理由はほとんどありません。

でも,人間にはきっかけというものが必要です。
きっかけになるかどうかわかりませんが,4月15日は「良い遺言の日」!
若干無理がある語呂ですが・・・。
是非,遺言を作成してみてはいかがでしょうか。

この日に,札幌弁護士会主催の記念講演会が開催されます。
私も講師として参加しますので,是非,興味がある方はどうぞ。
詳細は以下のURLからご覧下さい。参加は無料です。

捕鯨

2014.04.04 [ 神村 岡 ]

国際司法裁判所で,南極海における日本の調査捕鯨が国際捕鯨取締条約に違反しているという判決が出ましたね。

この判決が出た以上は,これまでどおりの調査捕鯨を南極海で行うことはできなくなりますし,他の地域での調査捕鯨にも影響が出るかもしれません。

個人的には,調査捕鯨の禁止は正当なものではないと思います。調査捕鯨によって,鯨の生態や生息数についてのデータの収集が可能になり,ひいては鯨の保護にもつながりますし,現に調査捕鯨によって鯨の数が減少しているということもない(と思われる)からです。

ただ,国際捕鯨取締条約を前提とすれば,判決は正当だろうと思います。

条約は,基本的に捕鯨を禁止していて,例外的に調査捕鯨のみを認めています。
日本が行っている「調査捕鯨」が真に調査捕鯨であれば問題はないのですが,実態は商業捕鯨の側面がかなり強いのではないでしょうか。この点は議論のあるところだと思いますし,裁判でもこのあたりが肝だったのでしょうが,捕獲数がかなり多いことや特定の種類に偏って捕獲していることを考えると,純粋な調査捕鯨とは見にくいのではないかと思います。
とすると,「調査捕鯨」の名目で実態としては商業捕鯨を行っているということになりますので,それは条約違反だろうという結論にどうしてもなってしまいます。

日本としては,捕獲数を減らすなどして,実態としても調査捕鯨だと胸を張って言えるような状態にするより他ないと思います。

しかし,個人的には,商業捕鯨を原則禁止するという条約の枠組み自体が果たして妥当なものなのかという疑問があります。

確かに,乱獲によって生息数が減少することは避けなければなりませんが,そのためには捕獲数をコントロールすればよいのではないでしょうか。

また,捕鯨に対しては残虐だという論調の批判がありますが,そもそも他の生物を食料として人は生きていますから,捕鯨だけ残虐だというのは筋が通っていないと思いますし,何より,捕鯨をするかどうかは結局は食文化の問題だと思うからです。

今回の判決が,捕鯨と鯨食という食文化の否定につながらないかが心配です。

もっとも,私自身はほとんど鯨を食べていませんけどね。

逆に。

2014.04.02 [ 小西 政広 ]

http://toyokeizai.net/articles/-/32879

消費税上がっちゃいましたね。

4月1日は,今まで行ったことのないお店で昼ご飯を食べたので,増税がどう反映されているのか,よくわかりませんでした。

しかし今日,牛丼大手3社の消費税対応が分かれている,という興味深い記事を午前11時30分ころに見ました。

なにやら,3社はいずれも牛丼並盛り280円だったものを,

松屋は消費税をそのまま価格にして290円

吉野家は良い肉を使うらしいとのことで300円

そしてすき家は,なんと,

270円!

下げたのか!!

僕の行っているトレーニングジムで,いつもトレーニング前に水を105円で買っていたのですが,
増税に合わせて108円にするんですか?おつり2円というのもなにやら面倒ですね・・・。逆に下げて100円はどうですか?
なんて提案をしましたら,
「新しいですね」とのこと。

しかしすき家に現実にやられてしまいましたね。もはや新しくも何ともありません。

事務所近くには,吉野家とすき家がありますが,今日のところは吉野家で食べました。とさ。

通院慰謝料1日4200円は誤りではないけど誤っている。

2014.04.02 [ 小西 政広 ]

交通事故に遭われた方の相談を受けていると,

加害者側保険会社から,「通院は1日4200円ですよ,上限は治療費も併せて120万円ですよ」と説明されました,という話をよく聞きます。

この説明は,確かに誤ってはいません。


自動車保険には,大きく分けて2種類あります。

一つは,自賠責保険。これは,必ず入らなければならないので,次の任意保険との対比で,強制保険ともいわれます。

もう一つは,入るも入らないも自由である任意保険です。

車を運転されるほとんどの方が,この任意保険に入っています。

それは,自賠責保険では,事故によって損害を与えてしまった相手に対する賠償金に,限度があるからです。

簡単に言うと,相手の車が壊れてしまった分は,自賠責では出ない。そして,怪我の治療費は出ますが,後遺症のない怪我の場合,120万円という上限があります。

また,慰謝料の計算方式は,
通院期間か,通院日数×2の少ない方に対し,1日当たり4200円をかけたもの
となります。

本来,受けた損害を賠償してもらうのに,上限はありません。また,通院慰謝料の計算方式についても,自賠責の基準より,裁判の基準の方が高いのです。


保険会社の説明は,嘘ではないのです。

「自賠責の基準では」「通院は1日4200円ですよ,上限は治療費も併せて120万円ですよ」

この「自賠責の基準では」というフレーズを言っていないだけで,誤った事を述べているわけではない,ということです。

示談した後にこんな話を聞いてしまうと,やはり怒りたくなるのも当然ですから,明確に誤りとは言えなくても,やはり誤っているのです。

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