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人権擁護大会プレシンポジウムでコーディネーターやります

2014.08.29 [ 齋藤 健太郎 ]

テーマは,「精神障害者の地域生活移行とその課題」〜社会的入院の解消と地域で暮らす権利の実現に向けて〜」
です。

私がパネルディスカッションのコーディネーターをやります。
このシンポジウムの実行委員長をしていることもあり,精神医療審査会の委員ということもあって,やることになりました。
是非,この問題について沢山の方に知って欲しいと思います。
全く予備知識がなくても分かる内容にしたいと思います。

どなたでも参加可能です!無料です!是非ご参加下さい!

参加希望の方は,必要事項(所属,氏名,電話番号,特記事項)を記載したうえで
koureisya-syougaisya@satsuben.or.jp

まで,メール頂けると幸いです。
なお,当日のご参加も可能です。

札幌弁護士会のHPにはPDFファイルがあるので,それをプリントアウトしてFAXでもOKです!

こんなのもあります。写真が恥ずかしいですが。

以下,内容です。

~社会的入院の解消と地域で暮らす権利の実現に向けて~
精神障害者の地域生活移行とその課題本年1 月、我が国もようやく「障害者の権利に関する条約」を批准しました。これを受けて、本年度の人権擁護大会シンポジウム第2分科会は、10月2日、函館にて「障害者権利条約の完全実施を求めて-自分らしく、ともに生きる」というテーマで開催されます。国内でも有数の精神科病床が多い地域である北海道及び札幌市において、この条約が追求する共生社会の実現に向けて何が必要か、一緒に考えましょう。

【基調講演】
北海道大学名誉教授
医療法人重仁会大谷地病院 臨床研究センター長
精神保健指定医 小山 司 氏

【報告・パネリスト】
株式会社north-ACT 代表取締役
精神保健福祉士 中村 慎一 氏

【パネリスト】
医療法人社団博仁会
おおえメンタルクリニックゆう 院長
精神保健指定医 鎌田 裕樹 氏

北海道精神保健福祉士協会副会長
精神保健福祉士 佐藤 志津 氏

ピアサポーター・精神障害当事者の方

【コーディネーター】
札幌市精神医療審査会委員
弁護士 齋藤 健太郎

お問い合わせ先
札幌市中央区北1条西10丁目 札幌弁護士会館7階
札幌弁護士会TEL 011-281-2428 FAX 011-281-4823

共催 札幌弁護士会、北海道弁護士会連合会及び日本弁護士連合会

債権法改正

2014.08.29 [ 神村 岡 ]

民法典の中の一つの大きなカテゴリーである債権法の規定が、大きく改正される見通しになりました。法制審議会で改正の最終案について合意がなされたようです。

改正は多岐にわたりますが、今日は法定利率を取り上げたいと思います。

民法では、これまでずっと、法定利率が5%と定められていました。
法定利率が5%ということは、法的に払わなければならないお金を払わなかったりした場合に、支払いが遅れた分、年5%の割合で上乗せして支払う義務が生じるということを意味します。

これは、お金があれば年間5%の割合で運用益を上げることができるという前提で、支払いを受けるのが遅れた分、得られるはずだった運用益を得られなくなったという考え方によるものです。

今、お金を運用して年5%の利益を出すのは非常に困難です。普通に銀行にお金を預けていても、ほとんど利息はつきません。年5%という法定利率は、明治時代に規定されたものがそのまま残っていたのです。

今回の改正で、法定利率は3%に引き下げられることになりました。また、市場金利を参考にして、定期的に小刻みに利率を変えることとされました。これまで明治時代から変わらなかったものが、大きく変わったなあと思います。

後遺症はありません。

2014.08.27 [ 小西 政広 ]

交通事故に遭われた方が,医師からそう言われたそうです。

しかし,手術をした関節は事故から2年たっても時折痛むし,痛みで目が覚めることもある,とのこと。

医師から「後遺症がない」といわれたものだから,そういうものなのかと思い,それを加害者の保険会社にそのまま伝え,後遺症がない前提で示談金の提案がされていました。その額約100万円。

その段階で,私にご相談されました。

病院からカルテを取り寄せると,後遺症の認定がされるかもしれないな,と思う記述がチラホラあり。

自賠責保険会社に直接,後遺障害の認定申請をすると,14等級中の12級の後遺障害が認定されました。

これにより,ご相談者の得られる賠償額は,当初提案額の何倍にもなります。


医師の見解と裁判実務とでは,「後遺症」の捉え方がやや異なるのかもしれません。

医師から「後遺症がない」と言われても,損害賠償の観点から見る後遺障害はあるという判断がでることもあるのです。

弁護士費用は請求できるか

2014.08.23 [ 神村 岡 ]

法律相談を受けていると,弁護士費用は紛争の相手に請求できるのかという質問をよく受けます。

こちらに何も落ち度がなく,専ら相手が紛争の原因になったという場合,その紛争のために依頼した弁護士の費用は相手に請求できてもよさそうな気がします。

しかし,基本的には,弁護士費用を相手に請求することはできず,それぞれが依頼した弁護士の費用はそれぞれが負担するというのが裁判実務です。

例外は,不法行為に基づく損害賠償請求をする場合です。不法行為は,違法な行為で被害者に損害を負わせた場合に成立します。この場合には,概ね請求金額の10%を弁護士費用として相手に請求することができます。

なぜ不法行為が成立するときにだけ,弁護士費用を相手に請求できるのでしょうか。
それは,不法行為以外の場合は,相手に弁護士費用を請求できる法的根拠がないからということだと思います。

他人にお金を請求できる法的根拠は,大まかに言って,契約の締結,不法行為の成立,親族間の扶養義務等法律で定められている,不当利得(相手が不当な利益を得て,その分こちらが損をしている場合)に分けられます。
逆に言うと,これらのいずれにも該当しない場合はお金を請求できる理由はないということになります。

そして,単に相手が契約上払うべきお金を払わないというような場合には不法行為は成立せず,他に相手に弁護士費用を請求するための法的根拠になるようなものはありませんので,相手には請求できないということになります。

他方,不法行為に基づく損害賠償請求をする場合には,不法行為が成立すること自体が相手に弁護士費用を請求できる根拠となるのです。

このような結論で果たしてよいのだろうかという疑問もありますが,一般的に弁護士費用を請求できるようにするためには,そのように法律で定める必要があると思います。

交通事故と負傷との因果関係!?

2014.08.20 [ 小西 政広 ]

交通事故に遭ったけど,直後は何ともなくて,加害者にも何ともないと言ってしまった。

事故の翌日から,何となく首が重くなったけど,忙しいし,病院に行けなかった。

病院に行かず,事故から2週間経ったけど,まだ治らない。むしろ酷くなっている!?

やっぱり病院に行こう。

しかし,加害者の保険会社は,

「事故から2週間経っているので,事故と怪我との因果関係が認められません。治療費も自分で払って下さい」

といって,対応してくれない。


事故から2週間経過して以降の通院・治療については,保険会社が「事故による怪我」とは認めてくれず,治療費を容易には支払いません。

しかし,2週間経過してから初めて通院したからといって,必ず因果関係がないという説明は誤りです。

最終的には,個別の事情を考慮して,裁判所が判決で決定するということになります。



もっとも,事故から間隔が空けば,事故との因果関係が認められづらくなるのは事実です。


事故の時には何ともなくても,翌日,何日か後に違和感が出ることはよくあります。

遅くとも,症状が出たらすぐに病院を受診するようにしてください。


謎シリーズ

2014.08.19 [ 齋藤 健太郎 ]

第1の謎

ある男性が地下鉄に乗ったところ,目の前に座った女性が余りに素敵なのでiPadで録画をしました。
すると隣の正義感溢れ出る男が彼を警察に突き出し,彼は「女性を著しく羞恥させ,不安を覚えさせる行為をした疑いにより現行犯逮捕されました。

さて,北海道迷惑行為防止条例なるものの該当しそうなところを見てみましょう。

(卑わいな行為の禁止)
第2条の2 何人も、公共の場所又は公共の乗物にいる者に対し、正当な理由がないのに、著しくしゅう恥させ、又は不安を覚えさせるような次に掲げる行為をしてはならない。
(1) 衣服等の上から、又は直接身体に触れること。
(2) 衣服等で覆われている身体又は下着をのぞき見し、又は撮影すること。
(3) 写真機等を使用して衣服等を透かして見る方法により、衣服等で覆われている身体又は下着の映像を見、又は撮影すること。
(4) 前3号に掲げるもののほか、卑わいな言動をすること。

はて,どれに当たるのでしょうか?(2)は衣服下の身体や下着じゃなきゃいけないので,あたらないので,(4)しかありません。地下鉄で女性を撮影することは「卑猥な言動」にあたるのですか?
無許可で人を撮影することは卑猥ではないでしょう。
無許可で異性を撮影することも卑猥ではないでしょう。
では,何が卑猥だったのでしょうか?
女性が男性を撮影しても卑猥?
下半身を含めて撮影すると卑猥?服の上からでも?
チアリーダーやレースクイーンを撮影している人達はみんな卑猥?

この方は,名前も職業も全てニュースに流されてしまいました。もし条例に該当しない可能性があるとしたら,実名報道には慎重であるべきではなかったでしょうか。
私には謎です。

第2の謎

ある病院の院長が,院内でエボラ出血熱の対策会議を開いたことについて,フェイスブックで投稿した際,「ちなみにエバラは焼肉のタレです」,「ズボラは私」とコメントしたところ,大変な騒ぎとなった。

はて,日本という国はいつから冗談が全く許されない国になったのでしょうか。
フェイスブックで,エバラとかズボラとかだじゃれを言うことがなぜ不謹慎になるんでしょうか。
たしかにどう考えてもおかしなことを言っている方々もいますが,はっきりいってそれぐらいどうでもいいじゃんという感じです。
エバラの焼肉のタレってそんなに不謹慎なのですか?
ズボラな自分を卑下することってそんなに不謹慎なのですか?
エボラ出血熱という言葉から違うことを連想することは許されないのでしょうか。
ちなみに私がいつも吹いているのは大ボラですし,スピリチュアル系の有名人はエハラさんです。
世間のダジャレ系オヤジはフェイスブックやツイッターは直ちに止めた方が良いでしょう。

謎シリーズ,今日はここまで。

盆踊り

2014.08.15 [ 神村 岡 ]

歌と踊りが好きな息子のために,お盆休みの間に,地域の盆踊りに2回ほど顔を出しました。

それぞれ違う場所で開催されたもので,規模は違いましたが,歌と踊り,地域の町内会が主催して地域の老若男女が集まるという点,最後に参加品がもらえるという点で共通していました。

盆踊りに顔を出したのは,大通公園の盆踊りを見学したのを除くと,ほんの小さな子供の頃のことで,ほとんど記憶もありません。
小学生くらいまでは顔を出して,その後は親になるまで行かなかったという方は結構多いのではないでしょうか。

私も子供と一緒に見よう見まねで踊りました。
全く見ず知らずの人と一緒に何かをするというのが,あまり機会はないので新鮮な感覚でした。

歌と,輪になって踊る人々,夜空に浮かぶ提灯が醸し出す独特の雰囲気は,盆踊りならではだと思います。

また,盆踊りに限られるものではありませんが,地域の老若男女が参加する盆踊りというものは,地域の人々の交流の機会を提供してくれます。
特に,子供が大勢参加しますので,大人が地域の子供を一緒になって見守っていくという雰囲気が生まれるような気がしました。

良い伝統行事だなとしみじみ感じました。

北海道ボディビル選手権

2014.08.13 [ 小西 政広 ]

日曜日に行ってきました。

まさか自分の人生でディビルの大会を観戦しに行くことがあるとは思っていませんでした。


今年の1月からトレーニングの指導をして頂いている先生が20年ぶりに出場するということで,応援です。

横一列に並んだ7人の裸の男達。司会の指示によって,それぞれ同じポーズを次々ととっていきます。

そしてパンツには番号札が。

「10番でかい!!」と観客。

これは何となく分かります。筋肉がでかいのでしょう。でかい方がやはり点数が高いようです。

「10番切れてる!!!」

??

よくわからず,圧倒されまして,声援の出し方がいまいちで終わってしまいました。

よく知ったものにばかり触れているのもよくないんだな,と実感した一日でした。

パロディと同人誌

2014.08.12 [ 齋藤 健太郎 ]

同人誌というものを読んだことはありますか?
私はほとんどありません。
しかし,たまたまネットで,同人誌を販売しているのを目撃しました。

ジ○リのあの有名なキャラクターが空飛ぶ姐さんと言われて飲んだくれています。
清純なイメージのキャラが酒浸りで,他のジブリキャラと女子会を開くというくだらないものですが,はっきりいって面白い。
また絵がうまいんですよね。

たしかにジブリファンにとっては許せない行為なのかもしれません。モノマネと共通する問題で,見る人が見たら不快になるというものです。
そして言うまでもなく著作権法の複製権,翻案権等の侵害になる可能性が極めて高いでしょう。

実は,いわゆるパロディが著作権法違反になるかについては昔から議論があります。
裁判では,基本的にはパロディだというだけで許されることにはなりませんが,適切な引用といえるような場合には許容されることもあります。
アメリカでは,フェアユース(公正な利用)という考えがあり,パロディはそこに含めて許容されることがあるとされていますが,日本ではそのようなものはないので,なかなか認めにくいという事情もあります。

でも,表現の自由というものは,批判的なものや皮肉(風刺)などを自由に行うことに価値があります。社会的に広く受け入れられているものでも,見方を変えると問題を孕んでいることもあります。いわゆる騙し絵のように,全く違うものが見えるのに,誰かがそれを指摘しないとわからないこともありますが,そのときに騙し絵自体を示すことができないとすればあまりに窮屈でしょう。
表現方法の一つとしてパロディというものがあるとすれば,あまり規制を強くするのではなく,ある程度は許容していくことも社会のあり方としてはあるのではないでしょうか。

なぜモノマネって面白いんでしょうかね?
その人を見ているときには最高に格好いいと感じているのに,モノマネを見ると笑ってしまう・・・だからといって本人の価値が損なわれるわけではないのですから不思議です。

「すき家」の第三者委員会報告書を読んで

2014.08.09 [ 神村 岡 ]

牛丼チェーンの「すき家」で違法な労働環境が問題になっていた件で,先日,その問題の調査をしていた第三者委員会の報告書が発表されました。


その内容を見ると,「すき家」において,サービス残業や労働基準法上の制限を大幅に超過した残業,様々な面で問題のある深夜の一人勤務など,それまでの違法な労働環境が浮き彫りになっています。

また,そのような状態に陥ってしまった原因についても言及されています。
現経営陣には,自分たちも同様に過酷な労働に耐えて「すき家」をここまで大きくしたという自負があり,それを従業員に求めることも当然許されると考えていたようです。

当然ながら,自分たちもやったことだからと違法な労働環境を押しつけて良いはずがなく,正当化は出来ないと思います。端的に,経営陣には問題意識,危機感が欠如していたといえます。

しかし,「すき家」が第三者委員会を設置して外部の目で徹底的に労働環境を調査してもらい,違法な労働実態を改善していく覚悟を示したこと自体は,評価されるべきことだろうと思います。
第三者委員会の調査を受け,その報告書を公にしたことで,「すき家」は労働環境に関する膿を全て出し切り,正常な経営に向けて舵をきったといえるでしょう。

第三者委員会が行った従業員に対するアンケートでは,会社に対する厳しい声だけではなく,会社を思う声も数多くよせられたということです。
このような従業員こそが会社の財産であるという報告書の一節には,正にそのとおりだなと思いました。

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