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選挙年齢の引き下げへの疑問

2015.03.31 [ 齋藤 健太郎 ]

来夏の選挙から選挙年齢が20歳から18歳に引き下げられる可能性が高いようです。

しかし,この法案については,与野党がともに法案提出を行っているせいか,あまり議論がありません。
諸外国では18歳以上が多いという一般論が理由だからかもしれませんが,果たして日本の18,19歳が政治に参加することにどれだけの意義があるのでしょうか。本当に18歳,19歳の若者を政治参加させる必要が今の日本にあるのでしょうか。

それに対して政治に対する関心が若い人々にも高まるという考えもあるようですが,現在の20歳以上の若者を見ればわかるように,有権者となったことで,直ちに政治に高い関心を抱くようになるとは思えません。民主主義というものが何なのか,なぜ選挙が行われるのか,選ばれた議員は何をするのか,法律はどのように作られるのか・・・そのような有権者としての最低限の教育が十分になされるようになるのでしょうか。日本の教育は,政治というものに対して無防備なまま有権者を送り出している感があります。

私が懸念するのは,結局のところ,扇動的な政治がより通りやすくなり,それに乗ってしまった若者が将来的にかえって不利益になるのではないかということです。あとで不満を述べようとしても,有権者であるという自己責任論によって封殺されてしまうことがなければ良いのですが。

いずれにせよ,十分な議論を行わずに単に引き下げるというのは私には賛成できません。

ファウルボール訴訟

2015.03.27 [ 神村 岡 ]

昨日,札幌地裁で,ファイターズの試合を観戦中にファウルボールが当たって右目を失明した女性が起こした訴訟で,女性が怪我をしたことについて球団側の責任を認め,損害賠償を命じる判決が出ました。


まだ判決文を読めていないので詳細はわかりませんが,この裁判の争点は,ファウルボールによる負傷を防ぐための球団側の対策が十分だったか否かという点でしょう。

私もファイターズの試合を観戦したことはありますが,ファールボールが飛ぶと大きなサイレンがなり,「ファウルボールの行方にご注意ください」というアナウンスが流れます。

ファウルボールが飛んだ後以外にも何らかのアナウンスはあったように思いますが,いずれにしても,現状のアナウンスだけでは安全対策は不十分だったと認定されたことになります。

確かに,実際にファウルボールは飛んできますし,中にはライナー性の打球もあります。全ての打球の行方をしっかり見ることは実際には難しいので,ファウルボールが当たる危険性を完全に排除しようとすれば,防護ネットなどが必要になると思います。

他方で,観客はファウルボールの危険性を認識しながら観戦しているはずですから,ある程度観客の側で自己防衛をすべきという考え方もあり得ると思います。
つまり,危険な状況を認識しつつ自らその状況に身を置いた以上は,本人にもその危険から身を守る責任があるのではないかということです。
このような理屈を「危険の引受け」といいます。

もし,ファウルボールが飛んで来ないようにしなければ球団側が責任を免れないとすると,結局は広い範囲で防護ネットなどを張らざるをえないことになりますが,個人的には,それはちょっと残念です。

もちろん,今回のような事故が起こらないよう,安全対策については見直される必要があると思いますが,アナウンスを工夫するなど,何とか安全性と臨場感を両立させるような方法がないものでしょうか。

期間が来たら必ず終了する建物賃貸借契約

2015.03.26 [ 小西 政広 ]

建物を貸す場合,賃貸人としては,よほどのことがない場合には,解約が制限され,自由な時期に自由に解約ができないこととされています。

これは借地借家法という法律で定められています。

もっとも,最初から期間を決めて,必ずその期間が終了したら,賃借人に出て行ってもらえる契約があります。

それが定期借家契約です。

ただし,その契約は形式が重んじられ,必要な条件が一つでもかけてしまうと,やはり定めた期間では終わらず,いつまでも更新されてしまうということとなります。

法律上,定期借家契約であることや,更新がないことをあらかじめ書面で説明すべきとの要件がありますが,これは,契約書で説明してあればよいのか,それとも契約書とは別個の書面が必要なのか,について,平成24年に最高裁が結論を出しました。

結論としては,契約書とは別個の書面が必要となります。

定期借家を締結しようとする家主の立場からすれば,とても気をつけなければいけない判例です。




腱・靱帯

2015.03.23 [ 齋藤 健太郎 ]

筋肉と骨はすぐにイメージできますし,説明も簡単です。
一方で,意外とわかるようでわからないのが,靱帯と腱です。

アキレス腱断裂によって有名な「腱」ですが,これは,「骨」と「骨格筋」という筋肉を繋ぐものです。
骨と筋肉がうまいこと繋がっていること自体に驚きます。
大きな筋肉によりすごい力がかかっても腱が簡単に断裂しないのですからたいしたものです。

一方で,靱帯は,「骨」と「骨」を繋ぐものです。
靱帯については,靱帯損傷という言葉は良く聞きますね。
最近では,ダルビッシュが右肘靱帯損傷となり,手術を受けたというニュースがありました。

なぜそんなことを突然言い出したのかというと,別に医療事件で勉強したからではありません。
またその話かよと思うかも知れませんが,実はマラソンの練習をしていると,膝の外側の部分が痛くなるのです。調べてみると,腸脛靱帯という靱帯が走ることにより痛めやすいということがわかりました。
ランナーズニーなどといわれており,慢性化するとかなりひどくなるようです。

フライドチキンを食べていても,これが腱かな?これが靱帯かな?などと考えてしまいそうです。

有給消化の義務付け

2015.03.21 [ 神村 岡 ]

これまで,有給休暇は労働者が申請して初めて認められるものでした。

そのため,有給を取得する権利はあるものの,何となく行使しづらいという理由で結局使わないまま終わってしまうというのはよくある話だったと思います。

そのような状況を打開することを目的としているのでしょうか,今,労働者に有給休暇を取得させることを企業の義務とすることが検討されています。

具体的には,有給休暇の内5日間程度の日数については,企業の方から積極的に労働者に働きかけて取得させるという制度になりそうです。

違反した場合の罰則も設けられるのでしょう。

これによって,労働者がいろいろな事情で全く有給休暇を取得できないという状況は改善されそうです。

とはいえ,業務量が変わらなければ,他の日の残業が増えるだけということにもなりかねません。

これを機に,業務を効率よく短時間で終わらせるような工夫ができればよいですね。

移動8時間,裁判1分

2015.03.18 [ 小西 政広 ]

遠隔地の民事裁判では,電話会議システムの利用による出頭が認められることがほとんどです。

しかし,裁判はずっとこの電話だけで最後までいける訳ではありません。

電話による出頭で,議論が煮詰まったら,実際に裁判所にいってその結果を公開の法廷で報告する手続をしなければいけないことになっています。

つまり,ちゃんとした判決をもらうためには,どれだけ遠い裁判所でも,一度は行かなければならないのです。
ただ, 電話の結果の報告は,

電話で話した結果を報告するということでよいですね?

と聞かれる程度のもので,ハイと答えてものの3秒ほどで終わってしまいます。電話での会議を仕切っていたのも,その結果の報告の場においても,同じ裁判官です。

今日,その結果の報告のために函館に行ってきました。車で行って片道4時間強。

裁判は1分ほどでした。

そして復路4時間。

何とかなりませんかね〜。

ちなみに帰りは,濁川温泉郷というところで温泉に入ってきました。

結構楽しんでるんじゃないか。

竣工式記念ランニング

2015.03.17 [ 齋藤 健太郎 ]

先週の土曜日に,私が顧問を務めるハイチエイジェントという会社がメガソーラー事業を開始し,竣工式を行うということで,福島に行ってきました。原発事故後初めて福島に行きました。

実は,昔,仙台で司法修習生をしていた時代に,仲間と一緒に猪苗代湖に行って泳いだことがありました。猪苗代湖には,海水浴場ならぬ湖水浴場というのがあって,まるで海のようだったのを思い出します。

ソーラー設備は原発とは離れたところにあるのですが,それでも近くで除染作業を行っていたり,除染後の土が山積みになっているのを目の当たりにして,まだ何も終わっていないのだというのを実感しました。原発自体も全くコントロールできていない状況ですが,大量の放射性物質を除染することもまた極めて大変な作業だと思います。

竣工式の後,栃木の那須高原に宿泊したのですが,竣工式の後,懇親会まで時間があるということで,4人でランニングをしました。近くのアウトレットまで車で行ってそこから帰ってくるということにしたのですがそれが意外に大変でした。距離も14kmくらいあったうえに,向かい風と起伏のある道で余計に疲れました・・・果たしてこんな体力でフルマラソンを走れるのでしょうか。
とりあえず5月5日の豊平川ハーフマラソンにエントリーしてみましたのでそれを目標に走り続けます。

マタハラ

2015.03.15 [ 神村 岡 ]

マタハラとはマタニティーハラスメントのことで,妊娠・出産を機に嫌がらせをしたり,退職に追い込んだりすることを意味します。

妊娠・出産を機に降格や退職を迫られるというケースは少なくないのではないでしょうか。

男女雇用機会均等法や育児介護休業法は,妊娠・出産を理由として解雇や降格などの不利な取扱をすることを禁止しています。

しかし,実際には妊娠・出産を理由としていても,勤務成績や勤務態度の不良といった他の理由をつけて不利な処分をされてしまうということは多々あると思います。

そのような場合,妊娠・出産を理由とした降格や解雇であることを立証することはなかなか困難です。

しかし,先日,厚労省が全国の労働局宛の通達を出し,妊娠・出産に近接した時期における降格・解雇などの不利益な処分は,妊娠・出産を理由としたものとみなして原則違法と判断するという基準を示しました。

これによって,企業側が勤務成績不良等の名目でマタハラを行うことが抑止されるようになると思います。

労災遺族年金と損害賠償

2015.03.13 [ 神村 岡 ]

労働が原因となって労働者が死亡した場合、その遺族には労災から遺族年金が支払われます。

また、労働環境に問題があった場合など、労働者が死亡したことについて使用者に過失がある場合には、遺族は使用者に対して損害賠償請求をすることができます。

そして、労災から遺族年金の支給があった場合、使用者側はその限度で賠償義務を免れます。

ところで、損害賠償請求をする場合、本来の損害賠償額(元本)に加えて、支払いが遅れたことに対する遅延損害金も請求することができます。労災事故の場合、元本に対して年5%の割合です。

それでは、賠償額から遺族年金の既払い額を差し引く場合、遅延損害金からまず差し引いて、残った分を元本から差し引くのでしょうか。それとも、まず元本から差し引くのでしょうか。いずれの処理をするかによって、遅延損害金の金額が変わってきます。

この点については、従来裁判所の判断も分かれていたのですが、先日、最高裁が従来の判例を変更して,元本から差し引くという判断を示しました。

http://mainichi.jp/select/news/20150305k0000m040048000c.html

その結果、遅延損害金は元本から遺族年金の支給額を差し引いた金額を基準に計算されますので、遺族にとっては不利な結果ということができます。

最高裁の判断の根拠は,死亡による労災保険給付と死亡による逸失利益(死亡した人の収入など,得られるはずだった利益)の損害賠償が、いずれも人の死によって失われた利益を補填するという点で同性質であること,かつ相互に補完する関係にあるという点
にあります。

遺族補償年金は将来にわたって定期的に支給されるものですが,実際に支給された限度で,不法行為のときに損害が填補されたと法的に評価することになります。

従来の判例を変更するもので,実務的には大きなインパクトのある判例です。

トレーニングの弊害

2015.03.11 [ 小西 政広 ]

さて,昨年1月にはじめた週1回のトレーニングも1年を超えました。

しかしここにきて,当然というか,必然というか,不可避というか。

春夏もののズボンをはいてみると,おしりがぱんぱんになっています。

今期はまだ良いとして,来期は全て買換でしょうか。

週1回,30分のトレーニングでここまでかわるとは・・・

やはり,北海道ボディビル選手権で準優勝のトレーナーだからですかね。

体がでかくなります。

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