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痛みの不思議

2015.08.04 [ 齋藤 健太郎 ]

たまに家のダイニングテーブルの脚に,自分の足をぶつけてしまうことがあります。
椅子の脚が微妙に外側に出ていて,そのせいでついぶつけてしまうのです。
家にいると裸足のことが多いのと,椅子の脚が細くて四角くカットされているのでかなり痛いです。
その瞬間,意識を遠くに追いやろうとしますが,痛いものは痛い。
痛いんだから仕方ない。
それ以外にも子供がそこらへんにまき散らした「レゴブロック」とかを思い切り踏みつけてしまうこともあります。
言うまでもありませんが,これまた痛い・・・ちゃんと片付けろ!

でも,よく考えると不思議です。痛みっていうのは自分の身体が自分で作り出しているものなんだから,どうにかコントロールできないのでしょうか?
特に,たいしたことはない場合や原因がわかっている場合とかは,痛みを切るスイッチを押すようなことができれば好都合です。
人間は,痛みを感じることによって,自分の身体を守っているようですが,明らかに不要な場合についてはその危険信号もやっかいなだけです。
交通事故でむち打ちになった方や,CRPSという疾患の方とかも,痛み切るスイッチがあればどんなに良いか・・・。一応,ブロック注射というものがありますが,万能ではないようです。
ほかにも幻肢痛といって,足を切断した後に,その切断した部分に痛みが出るなんてこともありますが,これもはっきりいって意味のない痛みです。

昔,麻酔科医の先生に相談したときに,「痛みは情動なんです」と言われたことがあります。
痛みというのは感情と一緒ということです。
痛みも感情もそうですが,本来,コントロールするのが一番なのに,そう簡単にできません。
感情的になることなんて,ほとんどのことが取るに足らないことなのですが,それに振り回されるのが人間ということなのでしょう。

次レゴブロック踏んだら全部捨てるつもりです。


弁護士を監督する・・・

2015.08.03 [ 齋藤 健太郎 ]

我々弁護士の仕事は「信用」で成りたっているといっても過言ではありません。
信用して頂けるからこそ,様々なことを代理して行えますし,スムーズに事が運びます。
逆に信用が低下すればするほど,仕事として成りたたなくなってしまいます。
お金を預けてもらうこともできず,代わりに手続することもできません。

ところが,最近は弁護士の不祥事が毎日のように報道されています。
全くもってあり得ないような横領事件などを耳にして耐えがたい気持ちになります。

最近のニュースで,東京家裁で,弁護士の横領などへの対策のために,成年後見人に弁護士が選ばれた場合でも,「成年後見監督人」というものを付ける運用を始めることを知りました。
つまり,弁護士を弁護士が監督するというシステムにしていくようです。

成年後見人に弁護士がつく場合には,それだけでも報酬が生じるのに,さらに成年後見監督人の弁護士の報酬が発生することになります。
また,弁護士の業務も自由度が下がり,成年後見監督人の顔色をうかがうことになるかもしれません。
成年後見人は,本人の意思を十分に尊重することが求められていますが,果たして監督人による監督が,それを阻害しないかどうか心配になります。
すでに,親族が後見人になる場合には,「後見制度支援信託」という制度が積極的に進められており,簡単にお金を下ろしたりできなくすることで,横領を防いでいます。裁判所がしっかり監督しなかったと評価されるのを避けるという目的も垣間見えます。

次は,後見監督人と後見人がグルになって横領をする事件が起きないことを祈ります。そのときの対策はどうするのでしょう。後見監督人を二人つけるとかでしょうか・・・。

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