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原本と写し

2016.09.28 [ 小西 政広 ]

大学生の頃,法律事務所でアルバイトをしていた時期があります。

その時期に,「記録に頁番号を振っといて」といわれたので,素早く全記録に頁番号を振りました。

ボールペンで

酷く怒られましたね。

今自分が扱っている記録で,「原本」か「写し(コピー)」かを問わずにボールペンで番号を振られたことを想像すると恐ろしい。

いろいろなケースがもちろんありますが,「原本」は,この世に一つしかありません。

何らかの文書を原本として裁判所に提出する場合には,その作成者を明示して提出します。

その作成者の意思の顕れとして,その文書の中身になっているのだ,ということを証明するためです。

その中に,誰か他の人間が付した消えない数字が振られているとなると,その数字の作成者は,まさにその数字を書いた人あるいは書かせた人になってしまいます。

私のミスの事例では,その後さほど問題にはならなかったかもしれませんが,法律事務所での仕事で特に注意しなければならないことの一つです。

同様に,我々弁護士でなくとも,重要そうな書面に何らかのメモ書きなどしないようにしてください。

グーグルマップのおかげで

2016.09.28 [ 小西 政広 ]

交通事故現場に行かなくとも,グーグルマップを見ながら相談を受けると,事故の状況が具体的にイメージできるようになりました。

また,裁判の証拠として,グーグルマップが提出されることも多くなりました。

しかし,細かいけど,でも重要な事柄はやはり現場に行って初めて気がつくことが多いです。

過失割合で激しく争いになりそうな事案は,やはり現場に行くようにしています。

現場に行って初めてわかる,相手方の不自然な事実の主張を発見したときにはうれしいです。

裁判官は現場に行くことは殆ど無いんだと思っていますが,過失割合で本気で疑問をもったときには,プライベートな時間に見に行ったりしてるんでしょうかね。

ブログが思うように書けないときに思うこと(3)

2016.09.26 [ 齋藤 健太郎 ]

久しぶりに出ましたこのシリーズ。前はいつのことだったでしょうか。
たぶん(2)で終わっていたと思います。

先週は祝日が多く,リズムが狂いましたね。
なんとなく子どもを寝かせつけたまま早く寝てしまい,早朝から仕事をするような日を繰り返していました。
忙しいこともあり,大好きなドラマもほとんど観ませんでした。
おかげでまた司法試験に落ちる夢を見ました。二人で合格発表待ちしていたら,自分だけ落ちたという悲惨な夢でした。
起きてしばらくは自分が弁護士であるということを信じられませんでした。

最近,こどもにテニスを教えたり野球を教えたり将棋を教えたりしているのですが,これがまた思うように行かずにストレス。
親はこどもに期待し過ぎるので教えるのはあまり向いていないのです。
テニスプレーヤーの大阪なおみさんは,テニス未経験のお父さんが公園で教えたとか・・・。
うちの妻が,大阪さんは日サロで焼いたと思っていたのには唖然としました。
まあ,真っ黒な人は日本人でもいますけどね。

毎日仕事としてやることは尽きないのですが,キャパシティにも体力にも限界があります。
集中してやらないと質が落ちるのでただ長時間やればいいというものでもありません。
ただの言い訳のようにも聞こえるとしたら,それはたいした洞察力です。
それと同じでブログのネタもないときはどうやってもありません。

ところで宇宙に興味ありますか?
私はあんまりないんですよね。
宇宙人にも興味がありません。
最近のニュースでも宇宙ネタがちらほら出ていますが,だからなんだというのか・・・。
それだったらまだ恐竜の方が気になります。ティラノサウルスには毛が生えてたらしいですね。
ま一番気になるのは富山で頻発している地震ですね。
富山の議員の悪行に神がお怒りなのだと思いますが,できれば善人を巻き込まないで頂きたい。

そういえばアメリカの大統領選も気になりますね。
直接対決が行われるとか・・・トランプを支持する人が意外に多くてびっくりです。
それぐらい人の考えって違うものなのですね。そんなに違うのに互いに非難し合うことにどれくらい意味があるのか。
たまに思いませんか?自分の青色と他の人の青色は同じなんだろうか・・・なんて。
我々が共有していると思っているものは全て共同幻想なのですな。
うまいこと同じものを感じていると思っていることこそが驚くべきことなのかもしれない。

マンモグラフィ

2016.09.24 [ 神村 岡 ]

先日,婦人科のクリニックのオーナーの方とお話しする機会があり,乳がん検診の話になりました。

乳がんの検診はまずマンモグラフィを行います。
マンモグラフィでは,異常があると白い影として確認できるようですが,乳腺の濃度が高く脂肪の割合が高い高濃度乳腺の方の場合は,脂肪によって全体的に白く見えてしまいます。

そのため,異常があってもわからないという場合も当然あることになりますが,自治体によっては,高濃度乳腺のため異常が確認できなかった場合でも,単純に異常なしとして通知することになっているようで,札幌市もどうやらそのようなのです。

これではせっかく検診を受けても,異常があるのを見過ごすことになりかねません。

自治体の検診を受ける方は十分にご注意ください。

なお,先ほどのオーナー曰く,月に1度の定期的なセルフチェックが乳がんの早期発見には有効だそうです。

裁判という解決

2016.09.21 [ 小西 政広 ]

弁護士という仕事をしていると,当然ですが裁判に触れる機会が多くなります。

そんな中で,交渉でまとまりそうもないので裁判にしますか,というと依頼人が驚かれることがあります。

なんとなく裁判に対する感覚については,一般の方とずれてきているかもしれません。

一般の方からすると,

当事者同士で話をするよりも,弁護士を入れた方がより激烈な争いになり,裁判になるともう取り返しがつかない

そういうイメージなのかもしれません。実際この仕事をしていなければ,私もそういう感覚だったようにも思います。

しかし実際に弁護士の仕事をしている中で感じるのは,

当事者同士でのけんかが一番激しく,代理人である弁護士が双方についた場合には,きちんと法的な有利不利を認識した話合いがしやすくなり,更に裁判になると,確かに時間はかかるのですが解決しやすくなる,ということです。

ふと,裁判という言葉を気軽に発している自分に気がついて考察してみました。

通院交通費とは

2016.09.19 [ 小西 政広 ]

症状などによりタクシー利用が相当とされる場合以外は電車,バスの料金。自家用車を利用した場合は実費相当額。とされています。

ただし,自家用車を利用した場合の実費相当額なのですが,その実費は高速道路の費用や駐車料金の他,燃料代しか認められていないのが実務です。

運転をするということは,それ自体労務といえますし,運転手として事故を起こすリスクもある行為です。

公共交通の価格には,当然燃料代だけではなく,運転手の賃金だって当然含まれているわけです。

それなのに自家用車を利用した場合は燃料代しかみないというのはおかしい。

日本の損害賠償制度は,事故が無い場合と比較して事故を前提としてどのくらい金銭的に失ったかというその差額を賠償するということとなっています。

自分で運転をする場合に失うのは燃料代の他に運転の労務分も含まれるはずだと考えます。

車両保険

2016.09.17 [ 神村 岡 ]

自動車保険のメニューの一つとして,車両保険があります。

車が破損した際にその修理費用が出ますので,高額の修理費用がかかる場合にはかなり助かる保険です。

また,基本的には過失の有無にかかわらず支払われますので,事故の相手方からもらえる賠償額より高額の保険金をもらえるケースが少なくありません。
例えば,過失があればその分相手方からの賠償金は減額されますし,修理費用が車の価値を上回る場合には相手方からは車の価値相当額しか支払われませんので,車両保険金の金額の方が高額になります。

相手方との間の話合いが長引き,賠償額が決まらない場合にも,車両保険に入っていればすぐに修理費用相当額の保険金を受け取ることができます。

ただし,車両保険を使えば等級があがり,保険料が高くなってしまいますので,ごく低額な修理費用で済む場合には,使わない方が良いということもあるでしょう。

また,車両保険には保険金額(保険金の限度額)がありますので,修理費用がその金額を超える場合,修理費用全額を受け取ることはできません。

ともあれ,車両保険もしっかりかけておいた方が良いです。

相手に代理人が沢山就いている場合

2016.09.14 [ 小西 政広 ]

相手に代理人が沢山就いている場合,依頼者の方から多勢に無勢で心配だ,といわれることがあります。

このような場合の解釈が一つではないのはもちろんなのですが,

沢山の弁護士が全て同じ事務所である場合には,実際の担当者はその内の一部であることが殆どです。

担当している弁護士が裁判に急に出られなくなったときなどのために,念のため事務所所属の弁護士全員で受ける事としているわけです。ですから,人数は形だけということになります。

他事務所に亘って複数の弁護士が就いている場合には,難しい事件で自分一人では扱いきれないと判断し,得意な人と一緒に組んだりしていることもあります。この場合は,その分野を取り扱える自信がある弁護士が来るわけですから,相手としては注意が必要です。

当事務所では,形式的に名前を入れることはしていません。ですが,一人で受けている事件であっても,悩みがあれば常に事務所内弁護士で共有しています。

事務所内の弁護士同士で,それぞれに事件を扱った経験を共有することで,事件の進み方が多かれ少なかれ有利になることが多いのは事実です。

必ずしも弁護士の人数だけで判断できるものではありません。

特訓開始

2016.09.13 [ 齋藤 健太郎 ]

某弁護士の先生から,幼稚園のお子さんに,縄跳びを毎日訓練しているという話を聞きました。

聞いたところによると,小学校では,かなり縄跳びをさせるらしく,大縄飛びなどで一人だけ引っ掛かると大変な問題であるとか・・・。
うちの子は上の子が来年小学生ですが,そんな縄跳び問題が存在するとは思っていませんでしたし,その話を聞いても「うちの子はまあどうにかなるんじゃないのかな・・・。そんなやらせなくたって・・・」と思っていました。

その週末,子ども達に縄跳びをさせてみたところ,これが下手くそで笑ってしまうほどです。
上の子は,縄を突然前に放り投げるという荒技を繰り出していました。なぜ・・・。
4歳と5歳だとこんなもんかなと思いつつ,なんだか焦ってきました。
縄跳びが原因でいじめられて不登校になったらどうしよう・・・。

とりあえず,少しずつ縄跳びをさせることにしました。
全身運動ですし,全体を関係させるので運動神経を鍛えるにはいいですしね。
現在は,二人とも,一回だけ回して跨ぐことがたまにできる程度です。
さて,これからの練習でどこまでいけるのか・・・。

なみに私は昔は3重跳びくらいはできましたが,現在では2重跳びも怪しい感じです。

親というのは心配がつきないものですな。

被害者との示談後の見解発表

2016.09.12 [ 齋藤 健太郎 ]

例の問題です。
まず,固い事実から確認していきましょう。

【事実経緯】
被害者とされる女性の知人が通報した。
当初より一度も否認していなかった。
母親も謝罪していた。
金銭を支払って「被害者とされる女性」と示談を締結した。
その後,起訴されることなく釈放された。
・・・
弁護人らは釈放後に
金を積んだから釈放されるというものではない。
合意があると誤解した場合には無罪という話を強調。
報道されているように無理矢理ということはない。
起訴されるなら無罪主張するつもりだった。
などとの見解を発表。
・・・
【問題点】
1 被害者(とされる女性)の同意を得ての発表か。二次被害ではないのか。
2 被疑者(だった男性)の利益になっているのか。何のための発表か。

1については,同意をしていたからこそ見解発表したという考えもありますが,私なら,「被害者とされる方の同意を得ている」ことを付記するような気がします。被害者を蔑ろにした印象を持たれるのが嫌だからです。
仮に同意を得ていないとすれば,金で黙らせたうえで,不意打ち的に一方的な立場から意見を述べたという印象を抱きます。口外禁止条項というものを入れることが多いのですが,あえてそれを入れなかったのか,相手にだけ課したのかもしれません。

2については,どうやっても利益になったという感じはしません。
これを読んで「あ〜。彼は実はやってないのかもな〜。同意があったと思ったんだね〜。無理矢理なんかしていないんだね〜。」なんて思ってもらえるでしょうか?
少なくとも,お金を払わなければ示談できなかったし,示談をしたから釈放されたというのは間違いのないことですが,それ以外のことは一方当事者の意見としか捉えられないのではないでしょうか。

では,何のための発表だったのか。
被疑者(だった男性)が,強く望んだので発表した?
しかし,それは弁護人が不利益になることを説明すればコントロールできそうな気がします。
私の勝手な感覚ですが,弁護人の考えで発表「すべき」と考えたという感じがします。

なかには,推定無罪なのにマスコミがおかしいという意見を述べている方もいますが,ポイントはそこではありません。理念を重視するのは簡単ですが,否認もせず戦ってもいないのですから,余計なことを言っても不利益になるだけではないかが問題なのです。不利益になっても良いと思えるだけのメリットがそこにあるのかを,弁護人の先生方がどのように吟味されたのか,是非知りたいところです。

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