2013.11.02 [ 神村 岡 ]

車を運転しているとき、交通事故の過失割合について考えることがあります。

例えば、両側に車が並ぶ駐車場の通路を走っていて、「駐車スペースからいきなり車が出てきてぶつかったら自分にも過失があるということになってしまうんだよな」と思ったり、交差道路に一時停止の標識がある(自分は停止しなくともよい)交差点に差しかかったときに、「交差道路を走ってきた車が一時停止を無視して自分と衝突した場合でも、自分にも少しは過失があるということになってしまうな」と思ったりという具合です。

交通事故の過失割合については事故類型ごとの過失割合をまとめた冊子が存在し(保険会社や法律家は概ねそれに従っています)、事故類型ごとの基本的な過失割合と、このような場合には基本的な過失割合に修正を加えるという修正要素が記載されています。

先の例では、一時停止の標識がある交差点での事故の場合、一時停止標識がある方の基本的な過失は8割ということになっています。そして、一時停止の標識のある方が一時停止をしなかった場合、後から交差点に入ってぶつかった場合などには一時停止の標識のある方の過失が加重されることになります。ただ、なかなか0:100という結論にはなりません。

しかし、基準に従うと過失割合は0:100にならないが、一方はルールを守って運転していて、どうしても事故を避けることができなかったということはありえます。

そのような場合にいかに実態を反映した過失割合で解決するか。そのあたりは弁護士の腕の見せ所のひとつです。