2014.01.10 [ 神村 岡 ]

先日,三谷幸喜監督の「ステキな金縛り」という映画を見ました。

ストーリーは,殺人事件の犯人とされた男の唯一のアリバイ証人が幽霊だったため,弁護人が幽霊を探し出し,刑事裁判の中でなんとか証人として証言させようと奮闘するというものです。

そもそも幽霊が証人という設定なので,法律家の立場からコメントするという以前の問題ですが,一点だけ,これはもしかしたら一般の人が見たら誤解するかもしれないと思うところがありました。

それは,裁判所で,裁判が開かれていないときに,裁判官の部屋に検察官や弁護士が集まっていろいろと話をしていたことです。

あのシーンを見ると,まるで検察官や弁護士が自由に裁判官の部屋に入って好きなように話をすることができるようにも思えますが,実際には,検察官や弁護士が裁判官の部屋に入ることはほとんどありません。

また,裁判員裁判などでは,正式な裁判の期日の他に打ち合わせ期日というものが設けられることがありますが,それは裁判官の部屋とは別の部屋で行われ,手続の進行などの事務的な点について話すだけの手続です。あくまで日時を予め指定して「手続き」として行われます。

打ち合わせ期日の他にも,法廷ではなく小部屋で非公開で行われる手続はあります。
法廷での期日に比べれば,小部屋で非公開で行われる手続では,やりとりは若干フランクにはなります。そのため,あまり事件と関係のない話を積極的に話しかけてくる裁判官もまれにいます。しかし,無駄話をしない裁判官がほとんどです。

ただ,裁判官もいろいろですし,裁判所によっても雰囲気がかなり違ったりします。
そのため,自分の知らないことろで,自分が普段経験しているものとはひと味違うやり取りが繰り広げられているのかもしれません。