2014.03.28 [ 神村 岡 ]

昨日,袴田事件について,再審開始決定が出ました。

袴田事件とは,1966年(昭和41年)に発生した,会社専務の一家4人が殺害され放火された事件で,当時専務が勤務していた会社の従業員であった袴田氏が犯人として逮捕され,裁判では一貫して容疑を否認していたものの,有罪とされ,死刑判決を言い渡されていました。

裁判では,袴田氏の捜査中の「自白」や,裁判中に発見された作業服などが証拠とされていました。

しかし,最近になって,作業服に付着していた血痕が袴田氏のものでない可能性が高いことがDNA鑑定によって明らかになり,これが今回の再審開始決定の大きな理由になったようです。
これまでは,血液の状態が悪かったため鑑定のための十分な資料がなく,DNA鑑定ができなかったのが,科学技術の進歩によってDNA鑑定が可能になったのです。

袴田氏は,再審開始と同時に死刑と拘置の執行が停止され,釈放されました。
犯人として逮捕されてから,実に47年間以上も拘束されていたのです。しかも,死刑が確定してから数えても30年以上です。
袴田氏の心境は想像を絶します。

再審開始決定で,裁判所は,犯行時の着衣とされた証拠が捜査機関によってねつ造された可能性にも言及しています。
これが事実であるとすれば恐ろしいことですね。