2014.04.12 [ 神村 岡 ]

有期懲役の上限を引き上げるなどの内容で,少年法が改正されました。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140411/k10013661431000.html

そもそも少年法というのは,非行したり犯罪を犯したりした未成年に対する処遇,処罰を規定している法律です。

大人が犯罪を犯すと,刑法などによって刑罰が科されることになりますが,未成年の場合,大人と同じことをしても刑罰が軽かったりします。

これは,未成年が大人よりも善悪の判断がつかないこと,単にやったことの責任を負わせるのではなく,後見的な観点から指導をした方が,本人の更生につながり,再犯可能性も低下することなどが理由です。

一般的に,若いうちは過ちを犯しやすいものだと思います。
若いときに犯した一度の過ちで大人と同様に長期間収容されることになると,上手く社会復帰できず,結局は再び犯罪に走ってしまうということも考えられます。
したがって,本人の更生という視点は,少年事件では欠かせないものです。

今回の改正では,有期懲役刑の上限が引き上げられ,これまでよりも重い刑罰を科しやすくなりました。
最近は,少年犯罪に限らず,厳罰化の傾向があるように思います。
その善し悪しは難しい問題ですが,こと未成年に関しては,本人の更生の視点が重要なのは変わりません。

なお,今回の改正で,国選付添人の対象事件が広がりました。
付添人というのは,一般の刑事事件でいうところの弁護人で,少年事件において後見的な立場から少年の弁護を行います。
国選というのは,国が費用を出して選任するということで,少年事件に関しては,一定の重大な犯罪に限って国が付添人を選任しています。

それ以外の事件についても付添人がつかないわけではなく,公的な付添人費用の援助制度がありますので,ほとんどの少年事件では付添人がついています。

私も,何件か少年事件を担当したことがありますが,どのような処分や対処が本人の更生にとって良いのか,いつも考えさせられます。