2014.06.28 [ 神村 岡 ]

刑事事件の被疑者が捜査に協力した見返りにその罪を軽くしたりする,いわゆる司法取引が,制度化される可能性が高くなってきたようです。

これまで,司法取引は認められてきませんでした。
それは,無関係の者を共犯者として巻き込んで自分の罪を軽くしようとするなど,事実がゆがめられてしまう可能性があるためです。

司法取引の制度化が動き出したのは,取り調べの可視化と関係があると思います。
取り調べの可視化とは,取り調べの様子を録音・録画することで,後から取り調べ状況を検証することを可能にするものです。
そして,取り調べの可視化によって,これまでは秘密裏に行われてきた司法取引を,隠れて行うことができなくなり,正面から司法取引を認める必要性が出てきたということではないかと思います。

いずれにしても,事実が歪められかねないという司法取引の弊害に注意していく必要があります。