2014.08.29 [ 神村 岡 ]

民法典の中の一つの大きなカテゴリーである債権法の規定が、大きく改正される見通しになりました。法制審議会で改正の最終案について合意がなされたようです。

改正は多岐にわたりますが、今日は法定利率を取り上げたいと思います。

民法では、これまでずっと、法定利率が5%と定められていました。
法定利率が5%ということは、法的に払わなければならないお金を払わなかったりした場合に、支払いが遅れた分、年5%の割合で上乗せして支払う義務が生じるということを意味します。

これは、お金があれば年間5%の割合で運用益を上げることができるという前提で、支払いを受けるのが遅れた分、得られるはずだった運用益を得られなくなったという考え方によるものです。

今、お金を運用して年5%の利益を出すのは非常に困難です。普通に銀行にお金を預けていても、ほとんど利息はつきません。年5%という法定利率は、明治時代に規定されたものがそのまま残っていたのです。

今回の改正で、法定利率は3%に引き下げられることになりました。また、市場金利を参考にして、定期的に小刻みに利率を変えることとされました。これまで明治時代から変わらなかったものが、大きく変わったなあと思います。