2014.09.06 [ 神村 岡 ]

職務発明とは,会社の従業員が会社の業務として何らかの発明をすることを意味します。

このような場合,今の特許法では,基本的には特許権者はその発明をした従業員で,会社がその発明に対する相当な対価を従業員に支払った場合にのみ会社が特許権を得ることができます。この相当な対価がいくらなのかということに関しては,数多くの裁判例が存在します。

ところで,この職務発明の制度が根本的に変わってしまうかもしれません。


つい先日,政府は,職務発明を無条件で会社のものとする方針を示しました。これまでのルールから180度方針転換することになります。

これは,従業員に低くはない対価を支払わなければいけない現状に異を唱えた経済界の意向をくんだものですが,一方で従業員の発明に対するモチベーションが下がりますし,優秀な研究者が海外に流出してしまう自体にもなり得ます。

結局は国としての競争力の低下につながる可能性が高いように思いますので,私は反対です。