2014.11.01 [ 神村 岡 ]

先週の金曜日に,銭函のビーチでのひき逃げ事故の刑事裁判で,検察が訴因を過失致死傷罪から危険運転致死傷罪に変更したとのニュースが流れていました。


訴因というのは,ごく簡単に言うと刑事裁判の中で審理される,具体的にどのような犯行をしたのかという事実のことです。
過失致死傷罪から危険運転致死傷罪に訴因が変更されることで,危険運転致死傷罪の成否が審理されることになります。

自動車運転処罰法によると,過失運転致死傷罪(5条)が7年以下の懲役又は100万円以下の罰金であるのに対して,危険運転致死傷罪(2条)は1年以上の懲役です。1年以上ということは,最大で30年まであり得るので,かなりの違いになります。

起こしてしまった結果を考えると,過失運転致死傷罪で7年までしか刑を言い渡せないというのは軽すぎるのかもしれません。

今回の検察の判断を動かしたのは約7万名分もの署名です。

危険運転致死傷罪は成立要件が狭く,その分立証も難しいのですが,検察としては署名を受けてギリギリの判断で訴因を変更したのではないでしょうか。