2014.12.13 [ 神村 岡 ]

9月から11月にかけて,宮部みゆきの「ソロモンの偽証」という小説を読みました。

全6巻の大作で,睡眠時間を削りながら読みました。

あらすじは,中学校の生徒が屋上から転落した事件をきっかけに,同じ中学校の不良が突き落としたのではないかという疑いが浮上し,同学年の生徒達が夏休みを利用して学校内裁判を行うというものです。

裁判のルールは,そもそも学校内裁判という設定なので実際の裁判とは異なる部分が多かったのですが,検察官や弁護人が,自分の主張を裏付けるために証人や証拠の確保に奔走する様子は,実際の裁判に通じるものがありました。

裁判で事実関係が争われる場合,最終的には当事者や証人の話を聞いて裁判官が判断することになるケースが多く,弁護士としてはいかに立証するかという点に頭を悩ますことになります。

小説の中では,裁判が進行する過程で次々と新しい事実が明らかになっていき,展開としては面白いです。

実際の裁判でも,それほど頻繁ではありませんが,色々と検討している間に有利な証拠が見つかったり,有利な視点を発見できたりということがあります。

そういう瞬間は小説よりも面白いかもしれません。