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神村 岡弁護士ブログ

被告人,被疑者との面会

2015.01.31 [ 神村 岡 ]

刑事事件の被告人,被疑者の弁護人が勾留されている被告人,被疑者に会うことを,接見といいます。

接見という言葉は,刑事訴訟法で出てきます。
勾留されている被告人又は被疑者の権利として,立会人なしに弁護人と接見することを認めているのです。
刑事被告人が弁護人を依頼する権利は,憲法上保障された権利であって,刑事訴訟法の接見交通権の規定は,憲法上の権利を具体化したものということができます。

そのため,一般の方が勾留中の被告人,被疑者と面会するのとは異なる配慮がされています。

例えば,先に書いた立会人なしでという点もそうですし,警察署で面会する場合は面会時間に特に制限がない,一般の方との面会を禁止しても,弁護人との接見を禁止することはできないといった具合です。

ところで,最近警察署に接見に行き,来訪目的を告げる際に,身分を告げた上で「●●に面会です」と言ったところ,「接見ですか?」と聞かれるということが何回かありました。

「接見ですか?」と聞き返したのは,弁護士も弁護人としてではなく一般人として被疑者に面会することもありうるという前提で,一般人としての面会ではないことを確認する趣旨だったのでしょう。

弁護士が一般人として被疑者に面会することはあまりありませんので(私はまだ経験ありません),そこをいちいち確認するのかと心の中で突っ込みを入れましたが,やはり言葉は正確に使うことを心がけるべきですね。

企業再生セミナー

2015.01.24 [ 神村 岡 ]

昨日,診断協会北海道の実践的企業再生研究会が主催する,企業再生に関するセミナーが開催されました。

内容としては,中小企業診断士が企業の再生に取り組む際の姿勢や具体的な取り組み方,診断士が企業再生に携わった具体的事例の報告などで,金融機関や中小企業の支援機関の方が多数参加されました。

セミナーの内容として印象に残った点があります。

それは,中小企業に対して支援する際,内容的に正しいアドバイスをしても,結局それが実践されなければ意味がないという点です。

中小企業には,人材や資金の面で制約があります。

これをやれば上手くいくという提案をしても,それを担えるだけの人材がいなかったり,実行するだけの資金が十分になかったりすれば,結局は何にもなりません。

当たり前のことではありますが,専門家がアドバイスをする際に見落としがちなことではないかと思います。

企業を深く知らなければ,その企業に合ったアドバイスはできないということですね。

特別養子縁組

2015.01.17 [ 神村 岡 ]

特別養子縁組という制度があります。

実の親との法的な親子関係が切れるという点で,実の親との親子関係と養親との親子関係が併存する通常の養子縁組とは異なります。

なぜこのような制度があるかというと,養親との間で,通常の親子と同様の関係を築かせることが子どもにとって有益だからということです。

特別養子縁組という制度があることで,子どもを育てていくことができない夫婦の間に生まれた子どもが,施設ではなく,普通の家庭環境の元で育っていくことができます。

特別養子縁組が成立するためには,実の両親の同意があること,子が6歳未満であること,養親が25歳以上であることなどの要件を満たした上で,裁判所の許可を得る必要があります。

一旦特別養子縁組が成立すると,実の親との法律上の親子関係が切れるという大きな効果が発生しますし,成立後は自由に離縁することもできませんので,裁判所が慎重に判断することとなっているのです。

なお,戸籍上も養親が養父や養母ではなく父,母と記載されるなど,普通の親子に見えるような配慮がなされています。
しかし,身分事項欄には,「出生」ではなく「民法817条の2(特別養子縁組の条文)の確定裁判により,●●戸籍より入籍」などと記載されるため,特別養子縁組であることはわかります。
ですから,いつかは子どもが知ることになると考えておいた方がいいのかもしれません。


椅子が壊れて

2015.01.09 [ 神村 岡 ]

スウェーデン創業の家具メーカーであるイケアの椅子を買った男性が,椅子が壊れて怪我を負ったとして,イケアに訴訟を起こしたそうです。


何でも,男性は椅子の耐荷重の範囲内だったそうですし,組み立て方に問題があったとか,乱暴に扱ったとかいう情報は今のところないので,商品に欠陥があった可能性もあるのかなという感じはします。壊れた椅子を検査機関が検査したところ,同種品に比べて強度が足りなかったという情報もあります。

まだイケアの反論が明らかになっていません。どのような反論になるのか気になるところですが,まだ第1回口頭弁論期日が終わったばかりということなので,イケア側が具体的な反論をするのは次回以降ということになるのでしょう。

ところで,男性は手の付き方が悪かったのか,不幸にも親指を脱臼して障害を負ってしまったそうです。
椅子が壊れただけで手に障害を負ってしまうというのは,不運というか,少し結果が重すぎるような気もしますが,椅子に欠陥があったのであれば,イケアは基本的に男性の怪我について責任を負わなければなりません。

怪我をしたことについて男性に落ち度があったのであれば,過失相殺の問題になり,イケアは男性の過失分の責任は免れることになりますが,いきなり椅子が壊れて指に体重がかかる形で手をついてしまったということですから,男性の過失は問題にできないと思います。

なお,男性は体重がかなり重く,そのことも怪我が重くなった原因になっているかもしれませんが,イケア側は,そのことを理由に,怪我が重くなったのは男性のせいだということはできません。

被害者の身体的特徴の結果被害が重くなったとしても,加害者はその重くなった結果についても基本的には責任を負わなければならないのです。

年始めの過ごし方

2015.01.03 [ 神村 岡 ]

明けましておめでとうございます。

皆さんはどのような正月をお過ごしでしょうか。

私は,例年どおり初詣をしたり,妻の実家に行ったりおせちを食べたりということもしていますが,昨年末に転居したため,新居での生活を整えるのにいろいろとばたばたとしています。

私自身の実家は山形ですが,遠方なので,なかなか毎年帰省するというわけにもいきません。今年は札幌で過ごしています。

今年の初詣は,豊平神社に行ってきました。
ネット情報によると全国区のパワースポットらしかったのと,以前の住所にも近かったためです。

パワースポットだったためか,豊平神社は相当混雑していて,神社の駐車場にもなかなか入れず(私は途中であきらめて近隣のコインパーキングに駐めました),参拝の列もかなり長くて,寒空の下で40分以上待ちましたので,参拝が終わる頃には完全に冷え切っていました。

それにしても,普段信心深いわけではありませんが,初詣に行くと身の引き締まる感覚があります。

何か霊的なものが関係しているのでしょうか。

近所の神社にも参拝に行くつもりです。

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