2015.05.16 [ 神村 岡 ]

今日,診断協会の実践的企業再生研究会で,事業承継と遺留分,相続税をテーマに発表をさせていただきました。

テーマは企業再生からは外れていますが,そこは気にしないでください。

事業承継にもいろいろありますが,後継者に経営権を承継させるのに相続を伴う場合,どうしても遺留分の問題が発生してきます。

遺留分とは,生前贈与や遺言によっても奪うことのできない相続人の最低限の権利です。子どもや配偶者が相続人にいる場合,遺留分は法定相続分の2分の1です。

先代経営者が後継者となる長男に対して,生前贈与と遺言によって一定割合以上の財産を長男に渡した場合,他の相続人は遺留分を侵害されたことになり,その侵害された分を支払うように長男に請求することができます。

ですから,家族の仲が良ければよいのですが,そうでもない場合,先代経営者が後継者となる長男に会社株式等や個人名義の会社資産の全ての会社財産を渡したいと考えたとしても,うまくはいかないケースも出てくるのです。

後継者が会社株式や事業用資産を十分に相続できないという事態を避けるためにとり得る方法はいろいろとあります。いずれにしても事前に対策を講じておくことが大切です。