2015.12.20 [ 神村 岡 ]

16日に,再婚禁止期間について違憲判決が出ましたが,同日には夫婦を同姓とする民法の規定について合憲とする最高裁判決も出ました。

民法750条は,「夫婦は,婚姻の際に定めるところに従い,夫又は妻の氏を称する」と規定していて,この規定により,夫婦は同じ氏(姓)を名のることになっています。

裁判では,この規定により氏の変更を強制されない自由などが侵害されているとして,憲法に違反していないかが争われました。

結論としては合憲という判断でしたが,15人の裁判官の内,多数意見(合憲の意見)が10人,少数意見が5人と,裁判官の間でも意見が分かれました。

合憲という結論になりましたが,夫婦を同姓としている民法の規定が妥当なのか妥当でないのかという価値判断を示したわけではありません。あくまで,憲法上結婚前の姓を称することが保証されているかという判断を示したものです。

ですから,今後の世論の動向や国会での議論次第では,夫婦別姓へと制度変更される可能性も十分にあると思います。