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神村 岡弁護士ブログ

裁判官の訴訟指揮

2016.04.29 [ 神村 岡 ]

ドラマは見ていませんでしたが,先日,下町ロケットを小説で読みました。

主人公の会社は,序盤は資金繰りや特許訴訟で危機的な状況に陥るものの,その後は「下町ドリーム」を実現させていくという内容でした。
劇的な展開や社長の心の葛藤がとても面白かったです。

特許訴訟については見事な逆転劇でしたが,訴訟の終盤で,裁判官が,相手方企業が大量の証拠を提出して訴訟の遅延を図ったのを一蹴し,主人公の会社側の実質的勝訴となる和解を勧告するという一幕がありました。

とても気持ちのよい,素晴らしい訴訟指揮ですが,現実には裁判官も色々な方がいますので,このような素晴らしい訴訟指揮をする方ばかりではありません。
特許訴訟ではありませんが,私が担当した案件でも,裁判官が言うべきことを言ってくれていればより早期に解決できていたのにと思うものあります。
小説の中では,訴訟の遅延行為は相手方の会社にとって常套手段だったようですから,これまでの裁判官相手ではまかり通っていた策略が今回に限ってはだめだったということなのでしょう。

裁判官には数年毎に転勤がありますので,4月には裁判官が交代することもあります。
私が担当している案件でも,この春から担当裁判官が変わったものも何件かあります。

まずはお手並み拝見というところです。

IPBA年次大会が終わりました

2016.04.16 [ 神村 岡 ]

クアラルンプールで開催されていた,IPBA年次大会の日程が終了しました。

3日間にわたった大会で,私は主に国際仲裁についてのセッションに参加し,最新の議論について学びました。

また,それと同時に,様々な国の多様なバックグラウンドを持つ弁護士と知り合うことができました。
海外との取引を始めようとする際,現地の法律について知ることが不可欠ですが,ネットワークがあることで,いざというときに気軽に連絡をとることができます。
これは,今回の大会で得た大きな収穫です。

他方で,英語でのコミュニケーションについてはやはりまだまだ不十分と感じました。
引き続き勉強を続けたいと思います。

IPBA年次大会に参加してきます

2016.04.09 [ 神村 岡 ]

私も小西弁護士と同様,マレーシアのクアラルンプールで開催されるIPBAの年次大会に参加してきます。
私にとってはIPBAの年次大会は初参加になります。

年次大会では,私は主に国際仲裁についての最先端の議論を聞いてきたいと考えています。
クアラルンプールにある国際仲裁機関を見学する機会もあります。

また,アジアを中心とした各国の弁護士と知り合うことも目的のひとつです。
いざというときに他国の弁護士とのパイプがあるのとないのとでは全く違うからです。

札幌で開催された国際会議には参加したことがありますが,国際会議には独特の活気があります。
それを是非味わってきたいと思います。

来週1週間は事務所を不在にします。

それだけの成果を得てきたいと思います。

退職金不支給

2016.04.02 [ 神村 岡 ]

フィリピンで買春と撮影を繰り返した元校長先生は,3000万円の退職金を返還しなければいけないそうです。

横浜市の条例によれば,在職中に懲戒免職相当の行為をした場合,退職金の返納命令を出すことができるとのことですので,条例にしたがった処分ということができます。

しかし,退職金は給与の後払い的な性格をもつことが多く,退職金は老後の生活の土台にもなるものです。やってはいけないことをしたとしても,それが全て不支給扱いになる又は返還を命じられるというのは,少しバランスを欠くような気もします。

一般に,民間企業であれば,就業規則に退職金の減額又は不支給の規定があったとしても,その規定にしたがった不支給等の処分が常に有効になるわけではなく,その退職金が給与の後払い的性格をもつ場合には,退職金を減額ないし不支給とするだけの十分な理由がなければならないと解されています。

相当かどうかの判断はなかなか難しいですが,懲戒免職が相当だとしても,退職金の全額不支給は不当という場合もあり得るのです。

3000万円の返納を命じた処分はどうでしょうか。

教員に対する信頼を失墜させたという評価は可能かもしれませんが,仕事自体はしっかりまじめにこなしていたとしたらどうでしょうか。

やったことはとんでもないことですが,執行猶予とはいえ懲役刑の判決を受けていますので,悪いことをした罰は刑事罰で十分に受けているとも考えられます。

教育委員会との関係で重ねて何らかの不利益を受けるのも仕方ないとは思いますが,3000万円です・・・。
金額からして給与の後払い的性格もあるように思われますし,評価の分かれうるところではないでしょうか。

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