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神村 岡弁護士ブログ

相模原襲撃事件

2016.07.29 [ 神村 岡 ]

障害者施設の入所者が襲われ,19人もの方が亡くなるという大変痛ましい事件が起こりました。

犯人は,事件の前には「障害者は生きていてもしょうがない」という発言もしており,それがきっかけで措置入院をさせられていました。
措置入院というのは,精神疾患が原因で自分自身や他人に害を与えるおそれがあると判断されるときに,強制的に入院させる制度です。
尿検査で大麻の陽性反応が出たということでしたので,その点が措置入院の判断に当たって重視されたのかもしれませんが,いずれにしても,精神的に異常な状態にあると判断されていたことになります。
犯人は「神からのお告げ」があったという話をしており,妄想もあったのかもしれません。

犯行時に精神的に異常な状態だったということになると,刑事裁判では,責任能力の有無が問題になってきます。

しかし,何らかの異常があったというだけで無罪になったり,減刑されるわけではありません。
今回の事件では,犯人は事前に周到に計画を立て,それを冷静に実行しているように思います。
また,長時間をかけて数十人の入所者を死傷させており,犯意は固かったと考えられますし,その犯意は以前からあったようですので,妄想等による一時的なものというわけでもないと思います。

ですから,現時点で伝わってくる情報から考えると,責任能力がなかったあるいは限定されていたという主張は通らないように思います。

それにしても,どのようにして,このような残虐な行為を正当化するような考え方を持つに至ったのでしょうか。
裁判ではできる限りこの点を解明して欲しいと思っています。

ポケモンGO

2016.07.23 [ 神村 岡 ]

連日ニュースを賑わせていたポケモンGOが,ついに日本にも上陸しました。

既によその国ではちょっとしたブームになっている一方で,行ってはいけない場所に行ってみたり,歩きスマホで危険な目に遭ったりといった問題も指摘されています。

画面を見ながら歩くのも危険ですが,自転車に乗りながら,車を運転しながらといった危険な行動に出る人も出てくるのではないかと少し心配しています。

トラブル,事故に発展しないよう,マナーを心がけて利用しましょう。

かくいう私も早速ダウンロードしてしまいまいしたが,当面はこっそり使うことにします。

ゲームを全くしない妻がブログを見たときの反応が楽しみです。

認定司法書士

2016.07.16 [ 神村 岡 ]

司法書士は,基本的に代理人業務を担当することができませんが,法務大臣の認定を受けた司法書士は,140万円を超えない範囲の事件について代理人として交渉することができます。

この,140万円を超えない範囲の事件という限定の趣旨について,これまで司法書士会と弁護士会の間で見解の相違がありました。

例えば債務整理についていうと,司法書士会の見解は,交渉の結果最終的に依頼者が得られる経済的利益が140万円を超えなければよいというもので,他方,弁護士会の見解は,債務整理の対象となった債権の金額が140万円を超えない範囲に限られるというものでした。

この点について,先日,最高裁判所が判断を示し,弁護士会の見解の方を採用することを明らかにしました。
その理由は,認定司法書士が業務を行う時点において,客観的で明確な基準によって決められるべきだからというものです。

最高裁のこの判断は,今後の司法書士の業務活動に少なからず影響を持つことでしょう。

プノンペンに行ってきました

2016.07.09 [ 神村 岡 ]

小西弁護士と同じく,プノンペンの法律事務所を訪問してきました。

行く前から知識としては分かっていたことですが,カンボジアではそう遠くない過去に国民の多くが亡くなる大虐殺があったこともあり,近隣の東南アジア諸国と比較してもまだまだ発展途上な印象を受けました。

首都プノンペンはさすがに活気があり,市街地もそれなりに広範囲にわたっていますが,それでも札幌よりもいくらか小さいくらいです。

ソフトの面では,近年日本や諸外国の支援により法律も整備されつつありますが,整備されたからといってすぐに同じように機能するというものでもないようです。
裁判手続にしても,いくら手続法を整備しても裁判官が公正でなければまともな手続にはなりえないわけですし,弁護士も欠かすことはできません。法律を活かすか否かは法律家の働きによるところが大きいのだなと改めて感じました。
法律家だけでなく,国民の意識というところももちろん大きいでしょう。

日本では間もなく参院選の投票日を迎えます。
今回の焦点は与党(改憲勢力)が参議院で3分の2を確保するかどうかというところでしょう。与党が3分の2を確保すれば,いよいよ憲法改正の国民投票に道が開けることになるからです。
選挙こそ国民が問われる最たるところだと思います。投票率が低迷して何となく結論が決まっていくということがないと良いのですが。

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