2016.07.16 [ 神村 岡 ]

司法書士は,基本的に代理人業務を担当することができませんが,法務大臣の認定を受けた司法書士は,140万円を超えない範囲の事件について代理人として交渉することができます。

この,140万円を超えない範囲の事件という限定の趣旨について,これまで司法書士会と弁護士会の間で見解の相違がありました。

例えば債務整理についていうと,司法書士会の見解は,交渉の結果最終的に依頼者が得られる経済的利益が140万円を超えなければよいというもので,他方,弁護士会の見解は,債務整理の対象となった債権の金額が140万円を超えない範囲に限られるというものでした。

この点について,先日,最高裁判所が判断を示し,弁護士会の見解の方を採用することを明らかにしました。
その理由は,認定司法書士が業務を行う時点において,客観的で明確な基準によって決められるべきだからというものです。

最高裁のこの判断は,今後の司法書士の業務活動に少なからず影響を持つことでしょう。