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神村 岡弁護士ブログ

不発弾の処理費用

2016.08.26 [ 神村 岡 ]

不発弾の処理を巡って,土地所有者が処理費用の返金を求めて市を相手に提訴したというニュースがありました。

原告の土地から発見された不発弾の処理には,爆発に備えた土嚢の設置や警備などの費用を含め,5百万円超の費用がかかったようで,それを土地所有者である原告が支払ったそうです。たまたま土地に不発弾が埋まっていたためにこれだけの費用を負担しなければならないというのは,土地の所有者にとって酷なように思います。

また,不発弾の処理費用を誰が負担するかについては,特に法令で定めがあるわけではなく,自治体によって,自治体が全て負担するところ,所有者が全て負担するところなどばらばらで,統一的なルールがあるわけではないようです。

今回の裁判の結論がどのようになるかはわかりませんが,費用負担のあるべき形を検討し,立法によって根本的な解決が図られるべきではないかと思います。


ワンセグ携帯のNHK受信料

2016.08.26 [ 神村 岡 ]

テレビを見ることができるワンセグ機能付きの携帯電話を所持している人がNHKの受信料支払い義務を負うかが争われた訴訟で,さいたま地裁は今日,支払義務はないとの判断を示しました。

今後控訴審での審理に移る可能性もありますが,この判断が確定すれば,普通のテレビを持たずワンセグ携帯のみを持っているがこれまでNHKの請求に応じて受信料を支払ってきたという方は,返金を求めることもできるでしょう。

判断のポイントはどこにあるのでしょうか。

放送法64条1項は,「協会の放送を受信することのできる受信設備を設置した者は,」受信契約をしなければならないと定めています。
この,「受信設備を設置した者」に,テレビは持っていないがワンセグ携帯を所有している人が含まれるかどうかというところが大きなポイントになりました。
裁判所は,携帯電話を持っているだけでは,さすがに「設置した」とは言えないだろうという判断を示しました。

あくまで法律の文言上無理があるという話ですので,条文が改正され,携帯電話で見ることのできる人も含めるような文言になった場合は,是非はともかく,結論は変わってくるのでしょう。

サファリパーク事故

2016.08.19 [ 神村 岡 ]

群馬のサファリパークで,従業員が車に乗って移動中にクマに襲われて死亡するという痛ましい事件がありました。

クマは車の窓に取り付けられていたパイプをもぎとって車内に侵入したようです。

襲われた従業員の遺族には,亡くなったことについて労災からの年金等の支給があるでしょう。

また,運営会社に落ち度があったために今回の事件が発生したといえる場合には,労災では保障されない損害部分について,会社に賠償責任が生じます。

それでは,今回の事故について会社に落ち度があったのでしょうか。

報道によると,被害に遭った従業員が乗っていた車には,窓に直径2cmのパイプが横に1本ねじ止めで取り付けられていたということです。動物から襲われることを想定した場合に,そのような対策で十分だったといえるかが大きなポイントでしょう。

その点を判断する上で参考になり得るのが,他のサファリパークではどのような対策をしていたかですが,他のサファリパークの中には,車の窓には鉄格子を溶接で取り付けているというところもあります。そのような装備と比べると,群馬のサファリパークの装備は見劣りしてしまいます。
また,現にクマによってパイプが壊されてしまっていることも踏まえると,会社に落ち度がなかったというのは難しいように思います。

北海道新幹線に乗車しました

2016.08.12 [ 神村 岡 ]

帰省のため,新函館北斗から仙台まで北海道新幹線に乗車しました。

さすがにこの時期だけあって,指定席は満席という状況でしたが,1か月近く前に予約していたおかけで3席横並びの席を確保することができました。
2人の子連れのため,3席横並びでないと厳しい状況でしたので,とても助かりました。

新幹線にはこれまで何度も乗りましたが,久しぶりに乗るとやはり快適さを実感しますね。
札幌駅から乗って発車したときにはトイレで次男のおむつ替えをしていたのですが,スムーズ過ぎて発車した瞬間はわかりませんでした。トイレには窓がありませんしね。

北海道新幹線ならではのポイントとしては,青函トンネルを通過する早さを感じました。トンネルは50キロメートル以上とかなり長いはずですが,あっという間でした。

ただ,やはり仙台や東京に行く場合は飛行機が便利過ぎるので,少なくとも札幌ー函館間が開通するまでは,基本的に飛行機を使ってしまう気がします。

ADRの勉強会で日弁連会館(クレオ)に行ってきました

2016.08.11 [ 神村 岡 ]

先週末に,紛争解決センター運営委員会の関係で,第二東京弁護士会仲裁センター主催の夏季勉強会に参加してきました。

紛争解決センターというのは,いわゆるADR(裁判外紛争解決制度)の一種である,札幌弁護士会が運営している和解あっせんの機関です。証拠が乏しい,法的に白黒つけるのが難しいといった,裁判にはなじまないような案件でも受け付けています。
全国各地の多くの弁護士会に同じようなADRが設けられていて,第二東京弁護士会の仲裁センターは,毎年全国の弁護士会のADRを運営する委員会を招いて勉強会を開催しています。
今年のテーマは仲裁人の倫理でした。

さて,勉強会ですが,日弁連の会館(通称クレオ)で開催されました。
札幌弁護士会の会館には頻繁に行っていますが,クレオに行ったのは,弁護士になってからは6年目にして初めてでした。人生では2度目です。
普通に仕事をしているとあまり縁がないのです。

土曜日ということもあり,地下鉄直結の裏口っぽい出入り口から入って同じところから退出するということで,正面玄関にすら行きませんでしたが,地下に飲食店が連なっているなど,店などは一切ない札幌弁護士会の会館との違いを感じて少々面白かったです。

強制執行がより実効的になりそうです

2016.08.06 [ 神村 岡 ]

金銭の支払を命じる判決が確定した場合や,公正証書で養育費の取り決めをした場合などは,支払いがなされない場合には強制執行を行うことができますが,相手の財産がわからないと強制執行できないということにもなりかねません。

こうした現状を改善するため,裁判所を通じて債務者の預金口座の情報を金融機関に照会することのできる制度が,法制化される方向で動いているようです。

2018年頃の国会提出というスケジュールで進んでいるようですので,まだまだ先という感じですが,それでも大きな一歩だと思います。
むしろ,極めて必要性が高いこのような制度が今まで立法化されてこなかったことが不思議なくらいです。

現状でも,判決はもらったが相手が支払わず,財産の所在もわからないため強制執行もできない状況にあるという方は少なからずいると思います。
このような制度が施行されれば,多くの方が救われるのではないかと期待していますが,果たしてどの程度使い勝手の良い制度になるのでしょうか。

麻雀という遊び

2016.08.04 [ 神村 岡 ]

私はたまに麻雀をします。

麻雀はとても頭を使います。
経験を積んで慣れている人は,思考回路ができていて,複雑な思考過程を難なく処理してしまうのかもしれませんが,慣れていないとその分余計に頭を使って考えなければならないせいか,ひどく消耗します。
消耗して集中力が切れるとひどいミスもでます。

あ,リーチされていたんだった・・・
とか,
あ,ドラだった・・・
とか

残念ながら,たまにしかやらないためなかなか状況は改善しません。それでも少しずつ進歩はしているようです。

不思議なもので,悪いときは全く手が揃いませんが,良いときはどんどん揃っていきます。
悪いときにいかに守って,良いときにいかに流れをつかむかということが肝要なのでしょう。
何事にも同じようなことは言えるかもしれません。

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