2016.08.06 [ 神村 岡 ]

金銭の支払を命じる判決が確定した場合や,公正証書で養育費の取り決めをした場合などは,支払いがなされない場合には強制執行を行うことができますが,相手の財産がわからないと強制執行できないということにもなりかねません。

こうした現状を改善するため,裁判所を通じて債務者の預金口座の情報を金融機関に照会することのできる制度が,法制化される方向で動いているようです。

2018年頃の国会提出というスケジュールで進んでいるようですので,まだまだ先という感じですが,それでも大きな一歩だと思います。
むしろ,極めて必要性が高いこのような制度が今まで立法化されてこなかったことが不思議なくらいです。

現状でも,判決はもらったが相手が支払わず,財産の所在もわからないため強制執行もできない状況にあるという方は少なからずいると思います。
このような制度が施行されれば,多くの方が救われるのではないかと期待していますが,果たしてどの程度使い勝手の良い制度になるのでしょうか。