2016.08.19 [ 神村 岡 ]

群馬のサファリパークで,従業員が車に乗って移動中にクマに襲われて死亡するという痛ましい事件がありました。

クマは車の窓に取り付けられていたパイプをもぎとって車内に侵入したようです。

襲われた従業員の遺族には,亡くなったことについて労災からの年金等の支給があるでしょう。

また,運営会社に落ち度があったために今回の事件が発生したといえる場合には,労災では保障されない損害部分について,会社に賠償責任が生じます。

それでは,今回の事故について会社に落ち度があったのでしょうか。

報道によると,被害に遭った従業員が乗っていた車には,窓に直径2cmのパイプが横に1本ねじ止めで取り付けられていたということです。動物から襲われることを想定した場合に,そのような対策で十分だったといえるかが大きなポイントでしょう。

その点を判断する上で参考になり得るのが,他のサファリパークではどのような対策をしていたかですが,他のサファリパークの中には,車の窓には鉄格子を溶接で取り付けているというところもあります。そのような装備と比べると,群馬のサファリパークの装備は見劣りしてしまいます。
また,現にクマによってパイプが壊されてしまっていることも踏まえると,会社に落ち度がなかったというのは難しいように思います。