2016.10.22 [ 神村 岡 ]

刑事事件で第1審の判決を受けた後,内容に不服があれば控訴することができます。

しかし,第1審の判決後に示談の成立など有利な情状が発生した場合でなければ,控訴審で第1審の判決が変わることはあまりありません。そのため,被告人から控訴の希望を言われた場合,必ず厳しい見通しをお伝えすることになります。

それでも,控訴審で覆ることもあります。

先日も,北海道内の話ですが,第1審で実刑判決を受けた被告人が控訴したところ,控訴審で執行猶予付の判決に変わったということがありました。

その被告人は執行猶予中に犯行を犯してしまい,特別な事情がなければ再度執行猶予がつくことはないのですが,控訴審の弁護人(国選弁護人は審級毎に違う弁護士が担当します)がしっかりと特殊事情を主張し,環境調整も行った結果,控訴審で再度の執行猶予が認められたのです。

このような素晴らしい成果は刑事事件ではなかなか得られないのですが,諦めずにやるべきことをやれば,ときにはこのような結果もついてきてくれます。

刑事事件に限らず,困難と思われる事案に取り組むときの基本的な姿勢ですね。