2016.11.19 [ 神村 岡 ]

フリーアコモデーションというのは,旅行者が宿泊先で掃除などの仕事(手伝い)をすることで,ただで宿泊させてもらうことを意味します。
略してフリアコと言ったりもします。

世界中を旅行するバックパッカーはよくフリアコで宿泊するそうです。

ところが,先月,札幌のホテルで,フリアコが原因で逮捕者が出てしまいました。


逮捕されたのは,清掃などをして宿泊代を免除されていた外国からの観光客と,ホテルの経営者らです。
観光客は,出入国管理及び難民認定法(出入国管理法)で規制されている,在留資格外の活動(就労)をしたとして,ホテル経営者らはそのような不法就労を助長したとして逮捕されました。

この逮捕に違和感を覚える方は少なくないと思います。

確かに,労働の対価として利益を得ていますので,働いているといえばそのとおりです。
しかし,フリアコは一般的な就労とは異なり,純粋に安価に旅行を続けるための手段であって,旅行の一環ともいえます。また,ある種の宿泊形態の一つに過ぎないともいえます。

ですから,そもそも出入国管理法が想定している「就労」に当たらないという解釈もあり得ますし,取り締まる必要性をあまり感じません。

経営者側はともかくとして,観光客には法を犯している意識は全くなかったと思います。
違法だと言うのなら,せめて違法であることを周知徹底してから,それでも従わない場合に逮捕するという対応でも良かったのではないでしょうか。

もっとも,逮捕に至る経緯はよくわかりません。
また,情報が限られているのでわかりませんが,いろいろと悪質だったのかもしれません。
それならまだ理解できますが。