2017.01.14 [ 神村 岡 ]

サッカーの試合中に怪我を負わせたことについて,損害賠償を命じる判決が言い渡されたというニュースがありました。


加害者がスパイクの裏側を被害者の足に向けて蹴り出した結果,被害者は足につけていたプロテクターが割れて足を骨折したというのが概要です。

スパイクの裏側を相手の選手の足に向けて接触させること自体,基本的にはあってはならないことだと思いますので,賠償が認められたことについて違和感はありません。具体的な双方の動きについて,詳細な検討がなされたことと思います。

接触のあるスポーツでは,怪我はつきものです。
プレーヤーはそのような危険性があることを前提にプレーしていますので,試合中に怪我を負ったことについて相手の選手に何らかの落ち度があったとしても,直ちに相手の選手に賠償義務が生じるわけではありません。

しかし,ルール上も許されないような危険なプレーをした結果相手に怪我を負わせたという場合には,賠償が認められることもあります。

私自身もアイスホッケーという比較的怪我の危険性が高いスポーツをしています。
アイスホッケーでは接触自体は問題がなく,体当たりもルールの範囲内ですが,背後から押して転倒させるのはルール違反ですし,特にフェンスに向かって背後から押すと,頚椎を損傷するような怪我を負わせてしまう危険性があります。
そのような危険な行為によって怪我を負わせた場合には,やはり損害賠償義務が発生することになるでしょう。