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小西 政広弁護士ブログ

枠のない白地に書く署名

2014.03.20 [ 小西 政広 ]

Harvard Buisiness Review の4月号を買ってしまいました。

読んでて面白い記事があったので,ついついブログに載せてしまいます。

『CEOのサインと性格,そして業績は相関する』
メリーランド大学カレッジパーク校 准教授
ニック・セイバート

調査をしたとありますが,調査の正しさまで検証しきれないので,結論だけです。

自分の名前のサインが大きいリーダーは,概してナルシシストであり,またまた概してその会社の業績もよくない,と。

そういわれると・・・

言い訳。

僕は領収書をもらう際,「小西です」というと,「小さいに西ですか」と言われるのが嫌なのです。

何か小さい奴だと言われている気がして。

こういうことを気にしていることが既に小さい奴なのでしょう。

しかし他にいい表現はないものか。

現在それを乗り越えられていないので,とりあえず全体像くらい大きめに書くようにしています。

将来のお金,今の価値。

2014.03.20 [ 小西 政広 ]

今100万円がある。

その100万円を何に使うかは人によりますが,仮に1年間で5%儲かる投資をしたとする。

そうすると,1年後には今の100万円が105万円になりますね。


他方で,

交通事故に遭って,重い障害が残ってしまった方が,1年後の1年間で稼ぐはずの100万円を失うとする。

交通事故の損害賠償訴訟では,この将来稼ぐはずのお金も,加害者から賠償を受けることができます。


しかし,最初にしたお話のために,将来の100万円は,現在は100万円ほどの価値はない,と判断されてしまいます。


今の裁判では,現金は,年間5%の利益を産めるもの

と考えられています。

そうすると,1年後の100万円は,現在の価値に直すと,0.9523をかける必要があります。

10年後の分は,0.6139をかけます。

20年後の分は,0.3768をかける。

30年後の分は,0.2313を。

これらの数値は,ライプニッツ係数といいます。


しかし,現在の低金利状態を考えれば,今ある100万円を1年後に105万円とすることは,相当困難でリスクの高い投資しなければなりません。

被害者に,そのような投資(投機)を強いることとなる利率は,障害の重さを考えるにつれ,公平では無いと感じます。

未成年者の悪事は親の責任か。

2014.03.18 [ 小西 政広 ]

未成年者が,物を盗んだり,人を殴って怪我をさせた場合,未成年者自身が損害を賠償する義務を負います。

しかし,未成年者はほとんどお金などありませんから,そのような被害に遭った方からは,その子の親に責任がないのか,という相談を受けることがよくあります。

法律上,他人がやったことについて責任を負うことがないのが原則です。

そして,親と子についても,法律上(当然ですが)別個の人格と扱われますので,子どものやったことについて,親が当然に責任を負うということにはなっていません。

しかし,これについては,

民法714条1項において,未成年者が,「自己の行為の責任を弁識するに足りる知能」を有していないときには,その親が損害を賠償する責任を負う,と規定されています。

この「自己の行為の責任を弁識するに足りる知能」とは,通常12歳前後で取得するもの,と解釈されています。

では,12歳前後を超えた子どもの親は,一切責任を負わなくて良いのでしょうか。

明確に規定した法律はありませんが,判例により判断されています。

未成年者が責任能力を有する場合であっても監督義務者の義務違反と当該未成年者の不法行為によって生じた結果との間に相当因果関係を認めうるときは,監督義務者につき民法709条に基づく不法行為が成立する(最判昭和49年3月22日民集28巻2号347頁参照)

未成年者の親としては,子どもが他人に迷惑をかけないよう,できる限り注意すべき法的義務があるということですね。

家事労働は女性のもの?

2014.03.18 [ 小西 政広 ]

他人のための家事に従事する主婦が交通事故に遭って,家事ができなくなってしまった場合,

その家事ができない期間については,収入の減少がなくとも,事故の加害者に休業による損害を請求することができます。

家事労働を金銭に換算する場合,賃金センサスという平均賃金の統計により,

女性で,学歴を問わず,年齢を問わず,

とした場合の平均年収を基礎として1日当たりいくら,と算出します。

この家事労働ですが,現在の裁判実務では,主婦ではなく,主夫の場合にも,女性の平均賃金を採用します。

そうなると,主婦労働は原則として女性のもの,と裁判所が宣明していることにならないでしょうか。

家事は本来女性がやるものなんだから,その労働の対価を考えるのに女性の平均賃金を使うのは当然でしょう,と。

家事は女性がするもの,と決めた法律などありませんし,時代の趨勢からすれば,このような解釈にはそれを裏付ける事実がないと思います。

家事労働の対価は,男女併せた平均賃金と解釈すべきでしょう。

本当に怖い実印

2014.03.05 [ 小西 政広 ]

実印は,印鑑登録をした印鑑のことをいいます。


みなさんは,日本社会において,実印がどれほど怖いものかご存じだろうか。

実印を他人に預けたりなどしていないだろうか。

実印と印鑑登録カードを預けたりしていないだろうか。


今すぐ返してもらいましょう。

あるいは,もう遅いかもしれない。


あなたが預けた実印,預けられた人が,あなたの意思に反して使ってしまった場合。

あなたの家族が,あなたの実印を使ってあなたになりすましてお金を借りた場合。


原則として,あなたが借りたことになってしまいます。

裁判所はきっとわかってくれる。

確かにそういうケースもありますが,実印を使われていると,最初から厳しい戦いになります。

さらに,印鑑登録証まで渡してしまっていると,よりつらくなるのです。


あなたの実印,印鑑登録カード,今どこにありますか?


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