2016.01.13 [ 小西 政広 ]

すぐに退会金を支払わないと,身辺調査,差押します,といった架空請求のメールが携帯電話にとどくことがあります。

もちろん私は弁護士ですし,身に覚えなど全くないので引っかかる気配はありませんが,

架空請求メールの対処法としては,無視するだけです。今や常識でしょう。

しかし最近は,「架空請求は無視するもの」という常識を利用して,裁判所の正式な手続を利用して架空請求を実現しようとする方法がちらほらでてきているようです。


裁判所を通じて届いた内容については,架空請求であると主張すれば,全く問題なく架空請求であることが認められるかと思いますが,無視することだけはいけません。


裁判所の手続を無視してしまうと,架空請求であっても,その内容が本当のこと,ということで確定してしまうのです。後からは原則として争えなくなります。

これは,お金のやりとりをする民事裁判が,基本的に内容の正しい正しくないという主張をするかどうかを,当事者の責任とする,という原則があるためです。


やや難しい話ですが,とにかく,裁判所からの手紙を無視してはいけません。

裁判所の名を騙るということもあるでしょうが,まずは,その差し出し元の裁判所があるかどうかインターネットで確認し,次に,その裁判所に電話して,通知の内容についてすぐに確認しましょう。