2016.03.16 [ 小西 政広 ]

1万円を振込で支払おうとするときに,振込手数料を差し引いて支払われることがままあります。

しかしこれは,原則的な取扱ではありません。

民法485条には,
弁済の費用について別段の意思表示がないときは,その費用は,債務者の負担とする。ただし,債権者が住所の移転その他の行為によって弁済の費用を増加させたときは,その増加額は,債権者の負担とする。

とあります。

つまり,なにも合意が出来ていない状況であれば,支払わなければならない側は,振込手数料を勝手に差し引いてはいけません。

場合に寄っては,振込手数料過去10年分遡って合計し,不当利得返還請求されるかもしれません。

細かい金額とはいえるかもしれませんが,積もれば大きくなります。

明確に合意をするか,振込手数料を差し引かないで払うようにしましょう。