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小西 政広弁護士ブログ

複数の後遺障害の取扱い

2016.08.31 [ 小西 政広 ]

交通事故によって体の複数の箇所に後遺障害を負った場合,自動車損害賠償保障法上以下のように扱われます。

後遺障害が2つ以上あるときは,重い方の後遺障害の該当する等級による。しかし,下記に掲げる場合においては等級を次の通り繰り上げる。
①第13級以上に該当する後遺障害が2つ以上あるときは,重い方の後遺障害の等級を1級繰上げる。(中略)
②第8級以上に該当する後遺障害が2つ以上あるときは,重い方の後遺障害の等級を2級繰上げる。
③第5級以上に該当する後遺障害が2つ以上あるときは,重い方の後遺障害の等級を3級繰上げる。

このように扱われていることから,場合によって不公正不適正であると思われる事態が起こります。

例えば12級に該当するような後遺障害が体の様々な部位に多発的に生じた場合でも,11級にしかなりません。

後遺障害の評価は,基本的には労働能力の喪失がどれだけ生じるのか,という観点から評価されるものですが,同じ程度労働能力を失わせると考えられている後遺障害が2つ残った人と5つ残った人とで労働能力に差はないと評価されてしまうということです。

このような不適正な事態は裁判によってのみ是正され得ます。

交通事故に関するマニアックな知識①

2016.08.17 [ 小西 政広 ]

自賠責保険は,強制保険で,後遺障害の無い傷害に関する損害賠償は120万円を限度とし,

人身損害に限られる

というものです。

ですから皆さん,自賠責保険の他に,任意保険として,対人対物無制限の自動車保険に入るわけですが,

この人身損害,メガネや衣服などの身につけているものについては,身体に準ずるものとして,自賠責保険の適用がされることとなります。

この知識を使うことは,日常業務上なかなかないのでマニアック知識です。

怖いけど仕方がないのか

2016.08.03 [ 小西 政広 ]

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160803-00000569-san-asia

週1回の英会話講師はフィリピン人です。

フィリピンでは大半の国民が支持しているようです。

それだけ薬物犯罪に悩まされているということなのでしょうか。

この大統領が就任する前は,朝のニュースは弱者が被害者となる痛ましいニュースばかりだったけど,最近では薬物の売人が殺されたニュースばかりになった,ということです。

射殺の過激さもさることながら,売人かどうかの判定がどういう手続で行われているのか,ということがとても気になります。

もしも自分が身に覚えのない薬物の売人の容疑をかけられたらどういう風に弁解すれば良いのか,ということを考えていますが妙案が浮かびません。

弁護士にとって余りに普通過ぎて一般の考えとずれてしまってるシリーズ①

2016.08.01 [ 小西 政広 ]

借りている建物のオーナーが変わりますから,ということで,

退去を求められたり,賃料が上がりますから新しい契約書にサインしてくれ,とかいわれたことありませんか?

これに応じるべき法的義務は全くありません。

これらは単なるお願いなのです。

賃貸借契約で,当該物件が売られるなどして大家が変わる場合,前の大家から新しい大家に対し,賃貸借契約の地位がそのまま引き継がれます。

ですから,新しい契約書などなくても,賃貸借契約は従前のものと全く変更はなく有効に継続するのです。


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