トップページ > 弁護士BLOG > 小西 政広弁護士 > 小西 政広: 2016年9月

小西 政広弁護士ブログ

原本と写し

2016.09.28 [ 小西 政広 ]

大学生の頃,法律事務所でアルバイトをしていた時期があります。

その時期に,「記録に頁番号を振っといて」といわれたので,素早く全記録に頁番号を振りました。

ボールペンで

酷く怒られましたね。

今自分が扱っている記録で,「原本」か「写し(コピー)」かを問わずにボールペンで番号を振られたことを想像すると恐ろしい。

いろいろなケースがもちろんありますが,「原本」は,この世に一つしかありません。

何らかの文書を原本として裁判所に提出する場合には,その作成者を明示して提出します。

その作成者の意思の顕れとして,その文書の中身になっているのだ,ということを証明するためです。

その中に,誰か他の人間が付した消えない数字が振られているとなると,その数字の作成者は,まさにその数字を書いた人あるいは書かせた人になってしまいます。

私のミスの事例では,その後さほど問題にはならなかったかもしれませんが,法律事務所での仕事で特に注意しなければならないことの一つです。

同様に,我々弁護士でなくとも,重要そうな書面に何らかのメモ書きなどしないようにしてください。

グーグルマップのおかげで

2016.09.28 [ 小西 政広 ]

交通事故現場に行かなくとも,グーグルマップを見ながら相談を受けると,事故の状況が具体的にイメージできるようになりました。

また,裁判の証拠として,グーグルマップが提出されることも多くなりました。

しかし,細かいけど,でも重要な事柄はやはり現場に行って初めて気がつくことが多いです。

過失割合で激しく争いになりそうな事案は,やはり現場に行くようにしています。

現場に行って初めてわかる,相手方の不自然な事実の主張を発見したときにはうれしいです。

裁判官は現場に行くことは殆ど無いんだと思っていますが,過失割合で本気で疑問をもったときには,プライベートな時間に見に行ったりしてるんでしょうかね。

裁判という解決

2016.09.21 [ 小西 政広 ]

弁護士という仕事をしていると,当然ですが裁判に触れる機会が多くなります。

そんな中で,交渉でまとまりそうもないので裁判にしますか,というと依頼人が驚かれることがあります。

なんとなく裁判に対する感覚については,一般の方とずれてきているかもしれません。

一般の方からすると,

当事者同士で話をするよりも,弁護士を入れた方がより激烈な争いになり,裁判になるともう取り返しがつかない

そういうイメージなのかもしれません。実際この仕事をしていなければ,私もそういう感覚だったようにも思います。

しかし実際に弁護士の仕事をしている中で感じるのは,

当事者同士でのけんかが一番激しく,代理人である弁護士が双方についた場合には,きちんと法的な有利不利を認識した話合いがしやすくなり,更に裁判になると,確かに時間はかかるのですが解決しやすくなる,ということです。

ふと,裁判という言葉を気軽に発している自分に気がついて考察してみました。

通院交通費とは

2016.09.19 [ 小西 政広 ]

症状などによりタクシー利用が相当とされる場合以外は電車,バスの料金。自家用車を利用した場合は実費相当額。とされています。

ただし,自家用車を利用した場合の実費相当額なのですが,その実費は高速道路の費用や駐車料金の他,燃料代しか認められていないのが実務です。

運転をするということは,それ自体労務といえますし,運転手として事故を起こすリスクもある行為です。

公共交通の価格には,当然燃料代だけではなく,運転手の賃金だって当然含まれているわけです。

それなのに自家用車を利用した場合は燃料代しかみないというのはおかしい。

日本の損害賠償制度は,事故が無い場合と比較して事故を前提としてどのくらい金銭的に失ったかというその差額を賠償するということとなっています。

自分で運転をする場合に失うのは燃料代の他に運転の労務分も含まれるはずだと考えます。

相手に代理人が沢山就いている場合

2016.09.14 [ 小西 政広 ]

相手に代理人が沢山就いている場合,依頼者の方から多勢に無勢で心配だ,といわれることがあります。

このような場合の解釈が一つではないのはもちろんなのですが,

沢山の弁護士が全て同じ事務所である場合には,実際の担当者はその内の一部であることが殆どです。

担当している弁護士が裁判に急に出られなくなったときなどのために,念のため事務所所属の弁護士全員で受ける事としているわけです。ですから,人数は形だけということになります。

他事務所に亘って複数の弁護士が就いている場合には,難しい事件で自分一人では扱いきれないと判断し,得意な人と一緒に組んだりしていることもあります。この場合は,その分野を取り扱える自信がある弁護士が来るわけですから,相手としては注意が必要です。

当事務所では,形式的に名前を入れることはしていません。ですが,一人で受けている事件であっても,悩みがあれば常に事務所内弁護士で共有しています。

事務所内の弁護士同士で,それぞれに事件を扱った経験を共有することで,事件の進み方が多かれ少なかれ有利になることが多いのは事実です。

必ずしも弁護士の人数だけで判断できるものではありません。

詐欺罪って難しい!?

2016.09.07 [ 小西 政広 ]

お金を返してくれないから詐欺罪で警察に突き出したい!

という相談をたまに受けます。

よく聞くと,友人に頼まれてお金を貸したけどほとんど返してこないというもの

でもなかなかこういう話だと警察も動いてくれません。

詐欺罪が成立するためには,お金を借りる段階から,返すつもりがなかった,という事実が必要です。

借りるときには返すつもりだったけど,それができなくなっただけ,といわれてしまうとなかなか難しいところなのです。

ただ,返済を免れるために,あらたに嘘をつき,それによって貸した側が返済を猶予した,ということとなると,それは詐欺罪となりえます。

でもやっぱりなかなか警察が動いてくれません。証明の問題でしょうけど。

司法試験合格発表

2016.09.07 [ 小西 政広 ]

司法試験の合格発表が昨日ありました。

友人も受験していましたし,また,北大ロースクールの教え子達の合格率なども気になるところです。

ロースクール毎の合格率や,何年卒の人が何人受かった,という情報は法務省のホームページに載るんですが,名前までは掲載されていません。

しかし不思議なことに,かつては合格発表の日の夜に,ネットの新聞に合格者氏名が掲載されていました。

しかも新聞社は毎年変わり,当該1社以外に掲載しているところはありません。

私の時はまだ当日の名前掲載がありました。

月末には氏名は官報に掲載されるのですが,それにしても不思議です。

ちなみに最近はなくなりました。

 | 1 | 

ページ上部へ