2017.03.15 [ 小西 政広 ]

争いがあるときにどこの裁判所を使うか,というのは,自由に決められるものではありません。

裁判所の管轄が民事訴訟法に規定されており,たとえば相手が自分にお金を払うべき,というケースでは,原則として自分の住んでいる地域の裁判所を使うことができます。

しかし,契約を結ぶときに,合意して裁判所の管轄をつくることもできます。

それが合意管轄です。

さらに,そこの裁判所でしかやらない,という合意が専属的合意管轄であり,これも契約で定めることができます。

いろんな契約を結ぶ際に,最後の方に規定されていることが多いこの専属的合意管轄ですが,その裁判所が遠方であるときには,行くのに安くない旅費がかかってしまいますし,時間もかかります。

弁護士に依頼していれば,日当もかかります。

電話会議という方法もでき,この場合は遠方に行かなくてもすむのですが,それでも1,2度は行かなければなりません。

金額の小さい争いになると,この旅費や日当だけでマイナスになる,というケースが考えられ,その場合にはその紛争をあきらめざるを得ません。

今度契約を結ぶとき,そんな条項にも注目してみてください。