2010.02.06 [ 齋藤 健太郎 ]

医療訴訟においては、当然のことながら、医師の見解というのがとても重要になります。
勝訴ないし良い形で和解するためには、こちらの主張を正しいと言ってくれる医師の意見というのがどこかで必要になります。

しかし、患者側に立って意見を述べるということは、医師が医師のことを悪くいうことなので、なかなか名前を出して意見を述べてくれる方がいません。

そのような環境の中で、名前を出して意見書を書いてくれる方がおります。患者側にとっては、大変ありがたい存在です。

訴訟において、そのような医師なしに戦うということも可能ではあります。文献などを沢山提出して、相手のおかしなところを鋭く反論したうえで、被告の医師の尋問で問題性を明るみに出すということが上手く行けば、そこで勝訴的な和解に進む事もあるでしょう。

しかし、そこで上手く行かずに、裁判所が行う鑑定というものに進んでしまうと、どのような結果が出るかわかりません。
鑑定を行う医師に臨床経験が十分ではない場合もあり得ますし、医師を守るというスタンスから鑑定を行う方もおり、安心は出来ません。

そこで、最近では、私は、どのような事案であっても、可能な限り意見書を提出するように心がけています。また、医師の方が了解して頂けるのであれば、意見書を書いて頂いた医師の方の尋問を行うのが重要ではないかと思います。