2014.05.06 [ 齋藤 健太郎 ]

死刑制度については,先進国では,日本,アメリカ,韓国など一部の国を除き,すでに廃止されている国がほとんどです。国連の拷問禁止委員会というところでも,日本の死刑制度は問題とされています。

最近読んだアメリカのニュースで,オクラホマ州で薬剤注射による死刑に失敗し,死刑囚は意識が回復した後,心臓発作で40分後に死亡したというものがありました。
実は,今まで使用していた薬について,欧州の会社が死刑反対という立場から提供を拒んだだめ,新しい薬の組み合わせで死刑を行ったという事情があったようです。

日本では,絞首刑による死刑が行われています。正確には縊首刑(いしゅけい)といって,単に首を絞めるのではなく,高いところから落とす方法によります。この方法は一瞬で死亡するとされていますが,本当にそうなのかは誰にもわかりません。しかし,アメリカでこの方法がとられていないのは,あまりに残酷な方法だからではないでしょうか。私は,非人道的過ぎるという素直な感想を抱きます。

安倍政権が勝手に解釈を変更することで骨抜きにしようとしている憲法では,拷問及び残虐な刑罰は絶対に禁じられています。今の日本の死刑を素直に捉えればやはり残虐な刑罰にあたるのではないでしょうか。それこそそろそろ憲法解釈の変更を行って(笑),日本の死刑は残虐な刑罰に当たるので憲法違反であるとすべきです。

そもそも,人間の身体はなんであろうと必死に生きようとしています。
死刑は,それを無理矢理死に至らしめるのであり,身体は強く抵抗するはずです。
薬剤で麻痺させようとも命を奪うことはそのような生きようとする力を押さえつけることであり,残虐ではないということ自体があり得ないのではないでしょうか。
アメリカの事例は,単に死刑がうまくいかなかったのではなく,その本質が明るみに出ただけだと思います。