2014.06.10 [ 齋藤 健太郎 ]

むかし「ぼのぼの」という漫画がありましたが,それとは無関係です。

Pro bono publicoというのが語源で,本来は,社会のためにいいことをするという意味のようです。
特に,弁護士が社会的な貢献を無償で行う際に,よく使われますので,弁護士の間ではある程度メジャーな言葉になっていると思いますが,あまり一般的には知られていないかもしれませんね。

アメリカの弁護士ものの小説などを読むと,大事務所がお金儲けをする一方で,プロボノ活動を行っていたりします。
日本でも,弁護士による無償の活動というのは実はたくさん行われています。
たとえば,弁護士会というものが主体となって行われている無料相談などがあります。
出張相談といって,弁護士が高齢者・障害者の方の自宅や精神科病院まで行くということもやっています。
また,委員会活動といって,弁護士が様々な委員会に所属して,無償で人権活動を行っています。

私は,弁護士になってから高齢者・障害者支援委員会というところに所属して,委員会活動に参加してきました。
今は副委員長という役職をもらっていますが,果たして責任を果たせているのかどうか。

委員会活動というのは一般の人が考えるよりもずっと負担があります。最近の活動を振り返ってみても,先週は一日帯広出張があり,虐待対応で高齢者のご自宅に行った日もありましたが,それらは委員会の仕事でした。今日も委員会の会議が昼にありました。

自分でもなぜこのようなことをやっているのかわからなくなるときもあります。
でも,自分が持っているスキルや専門性を生かすことによって,少しでも助かる人がいたり,喜んでくれる人がいるということが単純に嬉しいのだと思います。弁護士の仕事の本質はそういうところにあるのではないでしょうか。