2014.08.12 [ 齋藤 健太郎 ]

同人誌というものを読んだことはありますか?
私はほとんどありません。
しかし,たまたまネットで,同人誌を販売しているのを目撃しました。

ジ○リのあの有名なキャラクターが空飛ぶ姐さんと言われて飲んだくれています。
清純なイメージのキャラが酒浸りで,他のジブリキャラと女子会を開くというくだらないものですが,はっきりいって面白い。
また絵がうまいんですよね。

たしかにジブリファンにとっては許せない行為なのかもしれません。モノマネと共通する問題で,見る人が見たら不快になるというものです。
そして言うまでもなく著作権法の複製権,翻案権等の侵害になる可能性が極めて高いでしょう。

実は,いわゆるパロディが著作権法違反になるかについては昔から議論があります。
裁判では,基本的にはパロディだというだけで許されることにはなりませんが,適切な引用といえるような場合には許容されることもあります。
アメリカでは,フェアユース(公正な利用)という考えがあり,パロディはそこに含めて許容されることがあるとされていますが,日本ではそのようなものはないので,なかなか認めにくいという事情もあります。

でも,表現の自由というものは,批判的なものや皮肉(風刺)などを自由に行うことに価値があります。社会的に広く受け入れられているものでも,見方を変えると問題を孕んでいることもあります。いわゆる騙し絵のように,全く違うものが見えるのに,誰かがそれを指摘しないとわからないこともありますが,そのときに騙し絵自体を示すことができないとすればあまりに窮屈でしょう。
表現方法の一つとしてパロディというものがあるとすれば,あまり規制を強くするのではなく,ある程度は許容していくことも社会のあり方としてはあるのではないでしょうか。

なぜモノマネって面白いんでしょうかね?
その人を見ているときには最高に格好いいと感じているのに,モノマネを見ると笑ってしまう・・・だからといって本人の価値が損なわれるわけではないのですから不思議です。