2014.09.02 [ 齋藤 健太郎 ]

よく,ウェブサイトの最下部に
「Copyright © 2014 honyarara All rights reserved」
という記載をみますね。

なんとなく感覚的には,コレを記載してあることで,何かすごい権利が発生していて,法律的にも表示が求められているかのように感じます。

しかし,実はこれってほとんど意味ありません。
Cマークなんて呼ばれるものですが,これは日本国内の著作権については全くの無意味で,付けたところで保護されるとか逆につけないと保護されないということはありません。
日本の著作権は何も表示や登録をしなくても成立が認められるからです。

なんとなく格好いいからつけているというレベルを超えないというものです。
本当は,万国著作権条約というものがあって,それに加盟している国のうち,日本のように著作権が直ちに成立しないような国であっても,このマークをつけて表示していると保護されるよ・・・という意味があるのですが,それも実務的にはほとんど意味がないと思われます。

実は,ニュースで「ハイスコアガール」というスクウェア・エニックスというところで出している漫画が著作権違反で,刑事事件となり,捜索までされたという話を読んだのですが,その際に,「このCマークが末尾に表示されているから承諾を得ているとみんなが思った」なんて解説があったので,「?」と思ったわけです。
このマークは著作権を主張したい人が自分でつけるものに過ぎないので,誰かがこれをつけても許諾を取ったことの証明にはならないものです。全くの勘違いというか,大きな誤解としかいえませんが,業界の慣行というようなものがあったのかもしれません。
ちなみにその解説している人が,Cマークがつけられていると,侵害した人が著作権があることを知っているとみなされるので保護されやすいというようなことを書いていましたが,正直,そういう効果もないと思います・・・。

それにしても,公刊されている漫画が,著作権法違反で捜索・差押まで受けるというのは前代未聞ではないでしょうか。
たしかに,ゲームを論評するという形での作風であれば,「引用」として著作権法違反にならない可能性はあるのですが,それでも念のために許諾を取るというのがリスク管理としては当然に求められるところかと思います。
きわどい話であるという認識をもって,顧問弁護士と相談しながら進めていればこんなことにはならなかったのではないでしょうか。