2014.09.15 [ 齋藤 健太郎 ]

私は,医療事故の死亡事件を多数担当してきました。

交通事故にも死亡案件はありますが,件数としては多くありません。
医療事故ぐらい死亡事故を扱う事件もないと思います。

死亡事件は,亡くなられた方の配偶者の方(夫,妻)やお子さんが,損害賠償請求権を相続するので,私に事件を依頼するのはその相続人の方々となるのですが,一番無念な思いをされたのは,亡くなられ方ご本人です。
特に,医療記録を読み込んでいると,実際に亡くなられた方の発言などが,看護記録に詳しく記載されていたり,それが時には悲痛な叫びであったりすることもあります。

いつも,私は,想像力を膨らませて,実際に何が起きたのか,何を訴えていたのかなどを考えるのですが,その際に亡くなられたご本人のことを何年も考え続けていることに気がつきます。しかし,不思議なことにその方には一度もお会いしたこともないのです!!

顔も見たこともないクライアントと二人三脚で戦うという不思議な仕事です。