2015.07.28 [ 齋藤 健太郎 ]

突然,私に変な相談が来ました。
弁護士としてというよりは,単に何か知っているかもしれない人として聞かれたのです。

ある方が,癌の末期と宣告されたのですが,家で生活したい。でも,病院では入院しないのであればやれることはないといわれてしまった。どうしたらよいのか。何か知ってるか。というもの。
うーん。何も知りません。

又聞きの又聞きなので全く正確な情報ではないかもしれませんが,もしそのようなことがあるとしたら少し残念です。
私は,今まで幸せなことにまだ親を見送ってはいませんが,祖父母,曾祖父母を見送ってきました。どの人も家で息を引き取ることはなく,病院で亡くなりました。それが当然のことだと思っていました。
祖母を除いては,皆,最後はよくわからないけど生かされているという状態となり,意識もないまま相当の期間を過ごしていたように記憶しています。

もしこれが,医療の手にかからずに,在宅で過ごしていたら一体どうなったのでしょうか?
ほとんどそのような事例を身近に聞かないので想像できませんが,もしかしたら病院とは違う亡くなり方をしたのではないか,実は家でそのまま亡くなることもできたのではないか・・・などと考えてしまいます。

上記の方については,ネットで少し調べると「在宅ホスピス」なるものが札幌でもあるようで,在宅で一定の治療を受けながら,悪化した際には入院するか,場合によっては在宅のまま息を引き取るということもできる場合があるようです。

尊厳死や,在宅ホスピスというものは日本ではまだまだこれからなのだと思いますが,これからは次第に増えて行くような気がします。
日本人は,50年前にはおそらく癌の告知すらされなかった方が殆どであったことを考えると,世の中は変わっていくのだな・・・と思います。

私は,癌の告知をされた場合には,抗がん剤治療もせずに,家で安らかに死にたいなんて今は思っていますが,実際には少しでも長く生きたくて頑張ってしまうかもしれません。