2015.09.27 [ 齋藤 健太郎 ]

恥ずかしながら,私は全く知らなかったのですが,共同で法律相談を受けるために他の先生の事務所に行ったところ,気になるパンフレットが置いてありました。このパンフレットを見て北大の学者らがアイヌの方々の遺骨を墓から掘り返して研究材料にし,いまだ遺族らの返還に応じていないということを初めて知りました。

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1970年代までその行為は続いたようですが,明らかな犯罪行為であり,到底許されないことです。それが公然と行われていたことに憤りと驚きを禁じ得ません。
現在,遺族らが北大相手に訴訟提起をして返還を求めているとのことです。

中心となっている北大開示文書研究会というところのウェブサイトはこちら

いくら研究のためとはいえ,墓を掘り返して遺骨を研究材料にして,遺族に求められても返還しないというのはおかしな話です。私は個人的にはお墓や遺骨にはそこまで重きを置いておりませんが,遺族の方の気持ちを考えれば当然に返還すべきだと思います。

ちなみに遺骨の所有権というのは誰にあるのかというのは一つの問題ではあります。
所有権というもの自体を考えること自体が難しく,「祭祀承継者」といわれる仏壇とか墓とかを引き継ぐ人が引き継ぐという理解が一般的です。
本件でも厳密に考えて行くと様々な法律問題が出てくるとは思いますが,それを乗り越えて,謝罪と早期な返還をすべきだと思います。