2015.11.16 [ 齋藤 健太郎 ]

知っている人はよくご存じだと思いますが,モンサントという巨大企業があります。

かつてはベトナム戦争で用いられた枯れ葉剤を製造した会社の一つでしたが,現在では,「グリホサート」と「遺伝子組み換え作物」で有名な企業です。

「グリホサート」は,いわゆる除草剤で,農作物を作る際に雑草を除去するときに使われます。
私はたまたまグリホサートに関する裁判に関わったことがあるので,この名前を良く知っているのですが,皆さんは知っていますか?最近,よく宣伝するようになったと思いますし,ホームセンターなどでも売っているようです。

なんてことはない除草剤に思いますが,このグリホサートと,グリホサートが効かないように遺伝子が組み換えられた作物が合わさると最強になります。
通常は,農作物に悪影響が出てしまうので,グリホサートを農作物が育っている場所には散布できません。
しかし,遺伝子組み換えによってグリホサートが効かなくなった農作物であれば,そのまま大量に散布してしまえば大幅に手間が省けます。
効率的な大量生産にはうってつけの組み合わせなのです。

しかし,このグリホサートは土では分解されるよ,安全だよというのが売りなのですが,実はこれはアメリカとフランスの裁判所でウソだと認定されています。日本ではいまだにそのような広告をしていますし,私もそのように信じていましたが,事実ではないということなのでしょう。
また,WHOにより発がん性があるとされており,体内に入ると腎臓病も引き起こすようです。
そして,デンマーク,オランダ,フランス,スリランカなどですでに使用禁止になっている薬剤です。
ところが,日本では最近の方がよく宣伝されており,販売にも力を入れているように思います。

なぜ日本では全く議論にならないのでしょうか・・・。
せめて子供達には安全なものを食べさせてあげたいです。
グリホサートが第2の枯れ葉剤とならないことを祈ります。