2016.08.29 [ 齋藤 健太郎 ]

交通事故の事件で訴えを起こすと,保険会社の顧問医の意見書が出てくる場合があります。
特に医療的観点が問題になる事案では,ほとんどの場合提出されます。

しかし,その意見書の中には保険会社に有利に働くことを目的にしているのではないかと感じる不合理なものが散見されます。
何件も事件をやっていると,大体意見書を出してくる医師の名前も固定化してきます。
保険会社がお金を出して作っている会社に所属している医師の場合も多いです。

いろいろな意見があるということは大切なことなので,それはそれでいいと思います。
しかし,このような医師が保険会社から依頼されたときに「実はこれは事故によるものと考えてもおかしくない」と考えることは一度もないのでしょうか?
そのような公平な目で,保険会社に意見を述べているのでしょうか?

とはいっても,実は保険会社側が提出した意見書は,被害者側にとっても意外と有利な立証材料になることも多いので,私にとっては必ずしも嫌なものではないんですけどね。
意見書の不合理さをしっかりと叩いていくのが我々の仕事というわけです。