2016.10.25 [ 齋藤 健太郎 ]

過払金請求を大々的に宣伝してきた某法律事務所が,新聞の折り込みチラシを配っていました。

その内容は,不貞の慰謝料請求を弁護士に依頼しないかという宣伝でした。

大々的に宣伝して,お金儲けをするときの条件というのは,おそらく手間がかからず,早期解決できるということではないかと思います。特に,金額が大きくない場合にはどうしても数をこなさなくてはなりません。
過払金は,そんなに手間も時間もかかりませんので(しっかりやれば別のときもありますが),宣伝効果が高いということになります。
逆に沢山集めても手間と時間がかかるのであれば,効率が悪いということになるでしょう。

そのような目からこのチラシを見ると,実によくできています。
チェック項目があって,そこには不倫の証拠や,不倫相手の情報がある程度わかっていることが条件になっており,そこで勝つ可能性が低いものや,手間がかかったり,面倒なものはふるい落とせます。

しかも,チラシを見る限り,夫と離婚する,妻と離婚するという流れで,夫や妻を相手にする(または不倫相手とともに相手にする)という事案は,想定していないように思えます。
離婚が絡むとかなり大変になるので,着手金無料というわけにはいかないですし,手間も時間もかかるのでよろしくないということになるのでしょう。

しかも,不倫の相手というのは,色々な事情から早期にお金を払って解決したいという強い意向を持っていることが多く,それなりの解決の提案をしてくることも多いという見込みもあるのでしょうね。

ちなみに,民法では,「不貞」については,離婚理由としては明確に記載がありますが,配偶者ではなく不貞の相手に対しても慰謝料を請求できるということが明確に記載されているわけではありません。判例においては認められていることでありますが,今後,少しずつ社会が変わっていったときに,夫婦である以上配偶者の責任は当然としても,不貞の相手も責任を負うという理解が継続するかどうかはわかりません。実際に外国では,不貞の相手に対する慰謝料が認められていないところが多いようです。

というわけで不貞のご相談がございましたら当事務所まで!
どの事件も手間と時間を惜しまず,しっかりと解決いたします。