2016.12.25 [ 齋藤 健太郎 ]

我々が,弁護士として仕事をするには,絶対に弁護士会に所属しなければならないことになっています。
私は,札幌弁護士会所属の弁護士であり,日本において弁護士会に属していない弁護士はいません。
そのため,弁護士会は強制加入団体といわれています。
弁護士は,弁護士会から会費を徴収されたり,悪いことをすると懲戒というのをされたりします。

そんなときにふと思うのは,誰かが別の弁護士会を作らないのだろうか・・・ということです。
会費は安く,負担を軽くし,いわゆる小さな政府のような発想で活動する人が出てきてものもいいのではないかと。

しかし,実は弁護士法32条というものがあり,
「弁護士会は、地方裁判所の管轄区域ごとに設立しなければならない」
とされており,地方裁判所ごとに一つしか作れないということになっているようです。
札幌地方裁判所管轄には,札幌弁護士会がありますので,もう作れません。

ところが,東京には,三つの弁護士会があります。
東京弁護士会
第一東京弁護士会
第二東京弁護士会
があり,特例で認められています。
一体どのような違いがあるかもよくわかりませんが,いろいろな派閥があるという話を聞いたこともあります。

なんとも不思議な世界です。
我々は,そのような特殊なムラ社会で生きているのだと思います。
ちなみに,税理士会や司法書士会も強制加入ですが,医師会は実は強制加入ではありません。
医師会に加入しなくても医師はできるということです。
同じような専門職であり,国家資格でありながら,扱いが違う理由はよくわかりませんね。