2017.03.26 [ 齋藤 健太郎 ]

例の籠池さんの証人尋問では,偽証罪になるとかならないという話がありますが,弁護士的な感覚からは,そんな簡単に偽証罪になんかなるはずないじゃん・・・と思ってしまいます。

証人が嘘を言うなんてことは民事裁判の世界ではよくあることです。
というか,だからこそ事件が起きて複雑になります。
問題は,それが嘘である(記憶に反している)ということをどうやって立証するかなのです。
客観的事実に反することを明らかにしたうえに,証人が記憶に反して証言したということまで証明するのは大変なことです。
証人尋問の途中で記憶をただされて,そうだったかもしれませんといえば,それは記憶違いだったということになります。
私は証言をほとんど見ていませんが,吐かせようとする尋問で吐かせられるようなものではないというのが通常です。

人間は嘘をつく動物なのだということを最近よく思います。
子どもの頃から嘘はついてはいけませんと教えられつつ,なんだかんだいって,大人になるということは嘘の付き方がうまくなるということでもあるという複雑な世界ですよね。
思ったことをみんなが口に出していたら世界は崩壊してしまいますよね。

まあ,当然,私は嘘をついかことなどありませんが。
というよくあるオチでさようなら。