2014.03.02 [ 齋藤 健太郎 ]

トイレットでもニコレットでもパンフレットでもなく,ジゴレットです。

これは,フランス語で「ジゴロ」の女性版の意味だそうです。

「ジゴロ」自体が,最近はあまり使わないのでよくわからない方もいるかもしれませんが,要するに女から金を搾り取って生きる輩のことです。ジゴロがフランス語だということは初めて知りましたが,言われてみると,なんだか洗練された響きが・・・。

私も女性を虜にする才覚があれば,ジゴロとして自由気ままに生きてみたいものですが,どちらかというと貢(みつぐ)君タイプかもしれません(これまた死語)。

弁護士をしていると,交際中の男性にお金を援助してしまった,あるいは貸してしまったけど別れて目が覚めたので返してほしいという法律相談を受けることがたまにあります。

援助をした場合は「贈与」ということになり,すでにあげてしまった場合には返してもらうことはできません。

一方で,貸した場合であれば返せと言えるのは当然ですが、現金を渡した場合や口約束の場合には,「お金を渡したこと」や「返す約束をしたこと」を証明することができずに苦労します。通常は証人もいないので,裏付けとなるメールでも残っていない限り,裁判では勝つのは困難でしょう。ちなみに,仮に裁判で勝っても、回収できない場合もあるので注意が必要です。しっかりとした財産がある人や勤務先がわかっているのであれば、強制執行での回収ができますが,「ジゴロ」にそのようなことを期待するのは無理というものです。後悔先に立たず。

昔に受けた相談では,かなり若い女の子と会ったこともないのに,メールと電話のやりとりで一緒に住むためにお金がいるといわれて,大金を振り込んでしまったというものがありました。これこそ現代型のジゴレットだったのでしょう。

男は,わかっていて騙されたフリをするのが一番格好いいですよね。一番格好悪いのは,騙されているフリをしていて,本当はすっかり騙されていることでしょうか・・・。