2015.02.02 [ 齋藤 健太郎 ]

先日,父親が数えで70歳になるということで,古稀のお祝いをしました。

古稀の由来は,「人生七十古来稀なり」ということで,人間が70歳まで生きることは稀だという意味のようです。
昔は,筋骨隆々だった父も今となっては,膝の悪いおじいちゃんになってしまいました。
私も徐々に・・・というかすでにおじさんになっているので当たり前といえば当たり前ですね。

現在の日本人の平均余命は70どころではないのは皆さんもご存じだと思います。
そう考えると,本当に高齢化社会が進んでいるんだなと実感しますね。

ところで,交通事故や医療事故で,何歳まで働くことができたのかという問題を議論することがあります。
日本の損害賠償の実務では,67歳までというのが基本となっていますが(または平均余命までの期間の2分の1の長い方),この根拠は0歳のときの平均余命と言われているようです。定年で考えるなら,昔はもっと早かったはずでので,死ぬまで働くということを前提にしているのでしょう。
確かに昔の平均余命をみると,昭和30年で男性63.6歳,昭和40年で男性67.74歳,昭和50年で男性74.78歳となっています。平成25年ではなんと男性80歳!
そう考えると,67歳という基準も絶対のものではなく,平均余命に合わせて労働可能な期間も延ばしても良いのではないかと思いますが,不思議とそういう議論は聞いたことがありません。平均余命までの期間の2分の1に限定する理由もよくわかりません。亡くなるまで元気に働くというのもおかしいことではないはずです。

父の古稀を機に,より深く研究してみたいと思います。