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齋藤 健太郎弁護士ブログ

医療訴訟と共同受任

2014.05.13 [ 齋藤 健太郎 ]

 数ヶ月前になりますが,裁判上の和解により一件の医療事故を解決しました。

 この事件は,知り合いの弁護士から一緒にやろうと言われて担当したものです。

 私が担当した後,再度事案を全て検討し直し,複数の医師に面談をして,新たな問題点を設定し争ったという事案でした。内科と整形外科がオーバーラップする事案だったため,整形外科医と内科医の双方に意見を聞きました。その結果,より良い解決に繋がったのではないかと自負しています。


 このように,新たな観点から再度整理し,深く考えていくという作業はとても興味深く,やり甲斐があります。医師が実は気がついているけれども隠していることがあったり,または担当した医師がレベルの低さからそもそも全く気がついていない事もあり,それを見通さずに検討することがとても重要です。


 話は少し変わりますが,私の場合には,医療事件を他の弁護士と一緒にやることがとても多いです。札幌医療事故問題研究会という私が所属する団体経由で依頼を受けた事件については,主担当と副担当という複数で受任していますし,私が医療事件を多く扱っているということを知っている先生から誘われることもあります。医療事件をほとんど扱わない弁護士の場合には,医師のネットワークがなかったり,医療訴訟自体になれていないこともありますし,そもそも医療事件の性質上,一人でやるのではなく複数で担当し,協議しながら進める方が良い場合もあるということだと思います。

鼻血・表現の自由・科学

2014.05.13 [ 齋藤 健太郎 ]

 皆さんもご存じのように,漫画『美味しんぼ』において,福島にいると鼻血が頻繁に出るという描写をしたことが問題になっています。
 いろいろな考え方があるので,どの考えがおかしいというつもりはありませんが,なぜここまで一人の人間の作品を叩かなければならないのか疑問を感じています。

 私は,仮にそれが実は放射性物質の影響とは無関係だったとしても,自らの体験に基づいてそのような事象があると訴える人達がいて,作者がそれを漫画に表現することについては,これも一つの表現として許容されても良いと考えています。それを題材に議論をすることは素晴らしいことですが,大臣が不快感を示す意味がよくわかりません。個人的な不快感であれば言わずとも良いですし,国家として一作品に不快感を示すのであれば言論弾圧です。

 私は,最初この話を聞いたときに,作者は被爆のことについて無知なのではないか,何も知らずに書いたのではないかと考えました。でも,よく考えれば,本当に科学は被爆について全てを解き明かしているのでしょうか。低線量だから安全というのも長期間の実験がなされたわけでもないでしょうし,後から影響が出るかもしれません。科学的に正しいと思われていたことが長期間経った後に根拠のないものであったことが判明したりすることも十分にあるのです。多くの御用学者が原発は絶対に安全と言っていたことを忘れてはならないでしょう。実は鼻血にも根拠があるかもしれませんし,「そんなことはあり得ない」という人の方が私は信用できません。我々は,常に目の前にある事実に対して謙虚にならねばならないと思います。

 ついでに言えば「風評被害」という言葉ももう止めた方が良いと思います。放射線による影響というものは完全に解明されているわけではなく,果たして被害があるかないかがわからないから怖いのです。自分の子供達に何かあったらどうしようと思うから怖いのです。「風評」に過ぎないのかどうかなんて誰にもわかりません。

 問題は,原子力発電所というコントロール不能な危険物を設置したツケを福島の人達だけが背負っているということであり,それを何もなかったかのように元に戻すことはかえって問題を隠していくことになるのではないでしょうか。

 今日は,泊原発廃炉訴訟の期日があります。私は訴え提起のときから,弁護団の一人として活動をしてきました。電気のために,便利さのために,経済のために,あのような悲惨な事故を再び起こしても構わないという考えは私には理解できません。

死刑は残虐か?

2014.05.06 [ 齋藤 健太郎 ]

死刑制度については,先進国では,日本,アメリカ,韓国など一部の国を除き,すでに廃止されている国がほとんどです。国連の拷問禁止委員会というところでも,日本の死刑制度は問題とされています。

最近読んだアメリカのニュースで,オクラホマ州で薬剤注射による死刑に失敗し,死刑囚は意識が回復した後,心臓発作で40分後に死亡したというものがありました。
実は,今まで使用していた薬について,欧州の会社が死刑反対という立場から提供を拒んだだめ,新しい薬の組み合わせで死刑を行ったという事情があったようです。

日本では,絞首刑による死刑が行われています。正確には縊首刑(いしゅけい)といって,単に首を絞めるのではなく,高いところから落とす方法によります。この方法は一瞬で死亡するとされていますが,本当にそうなのかは誰にもわかりません。しかし,アメリカでこの方法がとられていないのは,あまりに残酷な方法だからではないでしょうか。私は,非人道的過ぎるという素直な感想を抱きます。

安倍政権が勝手に解釈を変更することで骨抜きにしようとしている憲法では,拷問及び残虐な刑罰は絶対に禁じられています。今の日本の死刑を素直に捉えればやはり残虐な刑罰にあたるのではないでしょうか。それこそそろそろ憲法解釈の変更を行って(笑),日本の死刑は残虐な刑罰に当たるので憲法違反であるとすべきです。

そもそも,人間の身体はなんであろうと必死に生きようとしています。
死刑は,それを無理矢理死に至らしめるのであり,身体は強く抵抗するはずです。
薬剤で麻痺させようとも命を奪うことはそのような生きようとする力を押さえつけることであり,残虐ではないということ自体があり得ないのではないでしょうか。
アメリカの事例は,単に死刑がうまくいかなかったのではなく,その本質が明るみに出ただけだと思います。

医療事故が増加?

2014.05.05 [ 齋藤 健太郎 ]

先日,以下のようなニュースを目にしました。

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日本医療機能評価機構によると、平成25年に医療機関から報告があった医療事故は前年比167件増の3049件で、年単位の集計を始めた17年以降で初めて3千件を超え、最多を更新した。

 全体のうち、医療法に基づき報告が義務付けられている大学病院や国立病院機構の病院などから2708件の事例が寄せられた。うち216件(8%)で患者が死亡し、障害が残る可能性が高いケースは263件(9・7%)だった。いずれも事故との因果関係は不明という。

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この事例は,あくまで医療機関が事故だと考えたうえで,日本医療機能評価機構というところに報告された事例です。平成25年の1年間で3049件ということになると,1日8.3件以上事故が起きているということになりますが,あくまで報告義務がある一部の病院から,報告された事例がほとんどのようですから,実際にはもっと多いということになるでしょう。

このニュースをみて,「医療事故が増えているから,医者が地方から撤退しているんだ」とか「産婦人科医が減っているんだ」というように反応する人もいるかもしれませんが,大きな誤りです。

これはあくまで病院が報告したものを意味しているので,紛争になっているか否かは問題にしていません。そもそも,地方からの撤退は,医局制度というものの崩壊によるところが大きく,産婦人科医の問題も訴訟リスクが生じやすいという本質的問題はあるもののそれが原因とは言い難いです。なぜなら統計上,医療裁判の数は明らかに減っているからです。

毎日多数の医療事故が生じていることは事実なのです。そして,その中には医師のミスによって生じたものもあるでしょうし,それによって死亡したり,後遺症を残した事例も多数あります。

問題は,患者さんが医療事故だと気がつくという第一の壁を乗り越えなければならないとういことです。医師の説明によって,何の問題もないと言われてそれを信じれば,事故は事故ではなくなってしまいます。専門家に言われるとそうなのかな・・・と思ってしまうものです。まず疑問を持ったら相談をすることが大切です。

次に,事故だと思っても問題にしなければ医療事故としては扱われません。医者の説明に納得した,誠意を感じたという理由なら良いのですが,中には「医療事故は勝てない」という一般論のみから諦める方も多数いるように感じます。その結果,解剖もせず,後から後悔をするということにもなります。

医療事故の勝訴率は確かに一般の事件よりは高くありません。

しかし,多くの医療事故は,裁判の前に解決するか,裁判中に和解によって終わっているのが現状であり,判決までいくことは少ないのです。判決まで行く場合だけを見れば勝てないと感じてしまうかもしれませんが,それは錯覚です。

医療事故が増加しているわけではありません。あくまでちゃんと報告される事例が増えたということだと思います。そして,次に大切なのは,その事件を他の病院にも周知したうえで,適切な賠償を受けるべき人が受けるということです。ただ報告される医療事故が増えても,次を防げなければ意味がありませんし,補償を抜きに考えることは許されません。

勾留請求却下!

2014.04.24 [ 齋藤 健太郎 ]

皆さんもご存じのとおり,犯罪の嫌疑をかけられると,まず「逮捕」されます。

しかし,逮捕されない事件もたくさんあり,交通事故とか暴行事件とかは,逮捕されずにそのまま刑事事件となることが多いですね。
でも,実は,酒気帯びのような犯罪でも逮捕されることがあるので注意が必要です。
何度も呼ばれているのに行かなかったり,逃げる可能性,証拠を隠したり壊したりする可能性などがあると逮捕されてしまうこともあります。

日本の刑事事件のシステムでは,逮捕の請求がなされるとほぼ全件で裁判官が逮捕を認めます。
そして,その次に「勾留」(こうりゅう)という身柄を拘束する手続に進みますが,この手続でもほとんどが認められてしまいます。裁判官が検察官の勾留の請求に対して,判断をするのですが,この手続を揶揄して,自動販売機のようだとか,ベルトコンベアー式だなどと言う人もいます。
勾留をされてしまうと,原則10日間は外に出られないので,被疑者はとても大きなダメージを受けますし,場合によってはさらに10日間身柄が拘束されてしまいます。

弁護士として刑事事件の活動をしていると,日本の刑事司法のおかしさを本当に実感します。
このまま身柄を拘束されてしまうと仕事を辞めなくてはならない人や,すでに証拠が十分に集められていて,これ以上捜査が必要とは思えないような場合でも,意外と簡単に「勾留」がされてしまうのです。
そして,身柄拘束が続けられることによる不利益があまりに大きいため,本当はやっていない事件でも,自白をしてしまうというシステムです。これを「人質司法」などと言ったりします。
この自白を得るために,わざわざ身柄を拘束したのではないかと思われる事件も多数存在しています。身柄拘束することによって自白をさせるなどという考えはもうやめるべきです。
日本では,弁護人が取り調べに立ち会うことすら許されませんが,私にはそれは自白をさせるためだとしか考えられません。
国連の拷問禁止委員会というところでも,日本の刑事司法は大きな問題があると指摘されています。

今回,私が担当した刑事事件では,検察官の勾留請求を裁判官に却下してもらいました。
出られないと仕事がままならないという方だったので,一安心しました。
私の仕事は,現在の状況を十分に聴き取りして,意見書を作成し,検察官と交渉し,裁判官に面談をして却下を求めるというもので,たいていは時間との勝負です。
これからも諦めないで,この刑事司法のシステムと戦っていきたいと思います。

交通事故の解決事例3

2014.04.21 [ 齋藤 健太郎 ]

先日,高次脳機能障害などで2級の後遺障害が残った方の交通事故の裁判で和解をしました。
事故からすでに3年半以上が経過していました。

振り返ってみると色々なことがありました。
当初は,ご自宅で住まわれることは考えていなかったのですが,病状が安定してきてから娘さんの家族と同居することになりました。しかし,そのままではご本人を受け入れることはできないため,自宅の改造を行うこととし,自賠責の被害者請求という手続により得た保険金を利用して支払をしました。また,相手の保険会社と交渉をし,訴えを起こす前に,改造費用について一定の支払を受けることもできました。

また,自賠責の認定による後遺障害等級は2級でしたが,「随時」介護という状態ではなく,「常時」介護が相当であり,1級相当であると考えられたため,その点も争うことになりました。
結果として,裁判では裁判官に理解してもらうことができ,自賠責の認定した2級相当ではなく,1級相当であることを前提とした和解案の提示を受けることができました。

最終的には,当方の主張が概ね認められたうえに,遅延損害金と弁護士費用についても加えた金額での和解をすることができましたので,依頼者の方にもご納得頂けたのではないかと考えております。

しかし,この事件を通して感じさせられたのは,交通事故により被害を受けた方が元の生活に戻ることはもうできないという厳しい現実です。温泉旅行に行くことが楽しみだった方でしたが,今では一人で外出することもできません。せめて,十分な補償を受けて,前の生活にわずかでも近づけられるようにすることが私たちの仕事なのだと思います。

公正証書遺言のデジタル保存

2014.04.08 [ 齋藤 健太郎 ]

遺言には,公正証書遺言と自筆証書遺言の二種類があるのをご存じでしょうか。ちなみに,法律家は,「遺言」のことをなぜだかわかりませんが「イゴン」と読みます。


自筆証書遺言は,全文を自分で書いて,日付と名前を書いて,印鑑を押せばできあがりです。

 

              遺言書

       私は全ての財産を妻に相続させます。

 

                     平成26年4月7日

 

                         齋藤健太郎 印

 

はい,これで完成ですね。私には妻は一人しかいませんので,「どの妻だ!」ということで特に争いにはならないでしょう。ただし,全ての文章と名前,日付を自分で書かなくてはいけません。

 

一方で,公証役場で作成する公正証書遺言は,偽造,変造することはほぼ不可能ですし,だれかが発見した後で隠すということもできません。公証役場には,遺言の検索システムがあり,相続人であることを戸籍で証明すれば,亡くなった方の遺言があるかどうかを調べることができます。

 

公正証書遺言を作成すると,「正本」というものを交付してもらえますが,「原本」は,公証役場に保存されます。このため,正本を紛失してしまったとしても,再度,発行してもらうことができます。

 

ところが,東日本大震災では,公証役場にも津波が到達したそうです。原本が津波に流されてしまったら大変です。そこで,この教訓から,全国の公証役場で,公正証書遺言のデジタル保存を開始したというニュースを目にしました。デジタル化の波はとうとう遺言にまでたどり着いたということでしょうか。

 

私の個人的な考えでは,本人が記載したということが証明できるような形であれば,そもそもデジタルでの遺言も認めるべきではないかと思います。当然,厳格な証明方法が必要ですが,自筆証書遺言という制度自体が,完全ではなく,争いを引き起こすこともあります。そうであればかえって改ざんされにくく,自分が書いたことを証明しやすいのではないかとすら思うのです。

 

本人確認の方法としては,免許証,印鑑証明などもありますが,もっともわかりやすいのはビデオ撮影でしょう。デジタル遺言に加えて,同じ内容のことをビデオで撮影して動画でアップしておけば,本人の意思通りということを証明する手段となるでしょう。さらに,高齢の場合には,認知症がないことを証明するために,長谷川式の認知症テストをやるということも考えられますね。

 

でも,公正証書を作成することもそんなに大変ではありません。

弁護士に依頼する場合には,まず,依頼者の財産の内容を確認し,どのような遺言がよいかを依頼者と打ち合わせます。

遺言書の案を作り,公証人さんとも事前に摺り合わせた上で,当日作成に行きます。このため,当日は短時間で済むようになっていますし,簡単な遺言であれば,一度の面談で完成してしまうでしょう。

 実は,遺言を作ろうと思い立って行動に移すまでが最も大変なのかもしれませんね。

「役に立つ遺言と相続の話」の講演

2014.04.07 [ 齋藤 健太郎 ]

平成26年4月2日に,私が顧問をしている「葬送を考える市民の会」の主催する講座で,講演をさせて頂きました。
「役に立つ遺言と相続の話」というテーマで,約2時間,お話をさせて頂きました。

遺言についての皆さんの興味・関心は日に日に高まっているという気がしますが,思ったより遺言を作成する人は増えていないように思います。
・まだ死なない。
・揉めるほどの財産はない。
・作るのが面倒。
・お金がかかる。
などということを考えてしまうのかもしれません。
かくいう私もまだ遺言は作成していませんが・・・。

実際には,
・人間はいつ死ぬかわからない。
・財産がなくても揉める。
・作成は案外簡単。
・お金は自筆証書ならタダ同然。
なので,作らない理由はほとんどありません。

でも,人間にはきっかけというものが必要です。
きっかけになるかどうかわかりませんが,4月15日は「良い遺言の日」!
若干無理がある語呂ですが・・・。
是非,遺言を作成してみてはいかがでしょうか。

この日に,札幌弁護士会主催の記念講演会が開催されます。
私も講師として参加しますので,是非,興味がある方はどうぞ。
詳細は以下のURLからご覧下さい。参加は無料です。

遺失物法って知っていますか?

2014.03.31 [ 齋藤 健太郎 ]

落とし物は誰のものでしょうか?
当然,落とした人のものですよね。拾った人のものではありません。

そして,基本的には,誰かのものをそのまま自分のものにした場合には,占有離脱物横領という犯罪になったり,壊したりしてしまえば,器物損壊という犯罪にもなる可能性があります。

しかし,人間は忘れ物をする動物です。電車の傘の忘れ物なんて非常に大量ですよね。私も子供の頃より忘れ物ばっかりで,財布を何度もなくしたことがある人間です。いまでも高い傘だけは絶対買いません。

そんな忘れ物社会ですから,忘れ物が人の所有物ということを貫いてしまうと面倒な事態となります。大量の忘れ物が捨てることもできず,そのままどうして良いかわからない状態になってしまいます。

そこで昔からある法律が「遺失物法」という法律です。
名前は知らなくても,「落とし物は警察に届ける」なんてことは聞いたことがあるでしょう。
そのようなことは全てこの法律で定められているのです。
この遺失物法は,実は,明治32年からある古い法律でしたが,時代に合わなくなり,平成18年に改正されています(平成19年施行)。
子供の頃に,落ちている物を見つけて「いーものみつけた!」なんて思いましたが,拾った物は自分のものではないと知って少しがっかりしたのを思い出します。

以下,滅多にみない,さほど知らなくてもいいこの法律を少しみてみましょうか・・・。

(1)落とし物を拾った場合には,路上で拾った場合には警察に届けることが必要ですが,施設内の場合には,施設の占有者に届けなくてはなりません。
(2)警察の保管期間は3ヶ月間です。落とし主が3ヶ月現れなかった場合には,拾った人の物になりますが,2ヶ月以内に受け取りにいかなくてはなりません。但し,携帯電話などは個人情報の問題があるので拾った人のものにはなりません。
(3)なんとインターネットで3ヶ月間,落とし物が公表されています。
(4)公共交通機関など特定の占有者は,落とし物を自ら保管することができますし,傘などは一定期間経過後に売却することもできたりします。

いつも「所有権」というものを守る仕事をしている身としては,落とした物が,全然関係ない拾った人の物になったり,売却できたりするというのは,とても不思議なことのように思います。

さて,復習の問題です。パチンコ店で,隣の人が落としたパチンコ玉を拾った場合には,どうすれば良いでしょうか?
・・・・
・・・・
・・・・
隣の人に返してあげて下さい・・・。

家族の一体感とは

2014.03.30 [ 齋藤 健太郎 ]

先日、夫婦別姓の選択権がないことが,女性に姓を変えることを強要するもので憲法違反だとして,慰謝料を請求する裁判の判決がありました。
第1審の判決は,国が法律を変えないことは違法ではないとして,慰謝料請求を認めませんでしたが,その控訴審の判決です。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20140328-OYT1T00507.htm?from=tw

控訴審の判決では夫婦同姓は家族の一体感を確保する目的であり正当性があるとしたうえで現時点では別姓を名乗る権利は認められていないとして請求を退けたとのことです。

法律を変えないことが違法になるためには,単に法律が憲法違反かどうかというだけではなく,明らかに憲法違反であるレベルまで達していなければなりません。その意味では,この戦い方をする以上,ハードルはとても厳しいものであり,簡単には勝てません。結論としては,それなりの理由もあるので,明らかに憲法に反する規定ではないということになるのでしょう。ニュースでは,その付近の解説が十分なされていないように思われます。

ところで,夫婦が同じ姓にならなければいけない理由ってなんなのでしょうか。
これは当然のことのようにみえてそうではありません。法律上の夫婦が異なる姓を名乗るということは他の国では認められているので,同じように夫婦別姓を取ることは難しいことではないはずです。

本件の原告は事実婚の夫婦ということのようです。
事実婚の場合には,当然に姓が違いますが,夫婦や家族の実態は,姓が同じ夫婦と何も変わらないはずです。
判決では,一体感の確保が目的とされたようですが,姓が異なるとしても家族としての一体感はあるはずです。家族の一体感を高めるのは「おんなじ名前だねー」ということではなく、共に生活し共に語らい苦難を分かち合うことでしかないてしょう。

私自身が,結婚する女性の姓に変えなければならないと言われた場合どう思うかを考えてみました。
まず一番先に考えたのは,両親のことです。
親は私のことを跡取り息子と思っているのかもしれない(継ぐようなものは何もありませんが),それを裏切ってしまうのではないだろうか。お墓はどうなるのだろう・・・姓が違っても入れるようだが,「齋藤家」の墓なのに姓が違うのもなんだかおかしい気もする・・・。

そのようなことを考えると,やはり姓を変えられない事情のある女性も沢山いるはずですし,互いに姓を変えるのが難しいという理由だけで婚姻ができないというのも辛いことだと思います。

まずは,女性が男性側の姓に変えるのが当然だという考えから変えていかないといけないのかもしれませんね。

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