2014.10.14 [ 齋藤 健太郎 ]

日本人じゃなくて,すでにアメリカ国籍の中村さんが青色発光ダイオードを実用化するまでの話をネットで読みました。
1995年の雑誌に掲載されたものなので,まだ日亜化学工業を相手に訴訟をしていない頃の話となります。

詳しい内容はご自身でお読み頂くこととして,私はこの話を読んで素直に感動しました。
これを読むと大企業でもない会社の一社員が,世界的に認められる発明をすることのすごさがわかります。また,発明に至るまでに中村さんが費やした時間・労力がどれほどのものだったのかも伝わってきます。

常に中村さんは,人がすでに選んでいる方法は選ばないという基本姿勢を貫いているように思えました。
必ずしも「人が選ばない道=正解」ではありませんが,少なくとも同じ事をやっていては先んじることはできないというのは真理かもしれません。

この後に日亜化学工業と訴訟になったのは非常に残念です。
同じ方向を向いて世界的発明を成し遂げたにもかかわらず争うことになった原因がどこにあるのか。

従業員の業務上の発明は,職務発明といわれ,会社が権利を取得する場合には相当の対価を支払うことになっています。
その相当の対価がはっきりしないために争いになりやすいということはいえるでしょう。
また,どうしても社内にいると会社の意向に逆らいにくいという環境もあるのかもしれません。

現在,この職務発明について特許法の改正が検討されているようです。
より企業に有利になる改正のようですが,果たしてそれが正しいのか。
発明するのは個人であり,そのインセンティブを保てるようにしなければ,かえって失うものが大きいという可能性もあります。

私としては,日本生まれだけどアメリカ人の方がノーベル賞を取ってもあまり嬉しくないです。