2015.12.29 [ 齋藤 健太郎 ]

軍事評論家の齋藤弁護士は,水木しげる先生の「総員玉砕せよ!」という漫画を購入して,深夜に読了いたしました。

90%実話という本漫画は,実話ではあってはならない壮絶なストーリーです。

本土で亡くなった方々。沖縄戦,広島・長崎,東京大空襲。民間人の死という意味では,非常に残酷で,無残な死に方であったということがいえますが,果たして戦争で死んでいった兵士達はどうだったのでしょうか。

多くの兵士は餓死で亡くなったという統計もあるようですが,この漫画の中でも,兵士達は常にお腹を空かせています。
そして,性的な欲求も根源的なものとして描かれています。

彼らは,若い指揮官の死に場所が欲しいという願いによって,玉砕を余儀なくされます。
同じ島の後方のバイエンでは多数の兵士が控えているのに,ラバウル支局というところでは,わずか500人で玉砕しなければならないという。
人は自分の命を納得しないまま差し出すことができるのでしょうか。
そのような状況下で,玉砕しようとしますが,実際には多数の人間が生き残ってしまいます。

士官2名は,自決することとなりました。
生き残ったために・・・。

さすが水木先生でした。
多少,人間の顔がどれも同じに見えるという弱点はありましたが,良い漫画でした。